阪神・球児ラスト登板 坂本に148キロ、中島には149キロ“火の玉” 3者凡退で切り抜ける

[ 2020年11月10日 21:05 ]

セ・リーグ   阪神―巨人 ( 2020年11月10日    甲子園 )

<神・巨24>9回1死、中島は空振り三振に倒れる(投手・藤川)(撮影・椎名 航)
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 阪神・藤川が9回、5番手として現役最終登板に臨んだ。日米通算811試合、NPB通算782試合目の登板。甲子園球場のマウンドは通算355試合目で、巨人戦は通算144試合目となった。

 右翼ポール際のブルペン出入り口にファンが殺到。電光掲示板の大型ビジョンには最終登板直前のブルペンの映像も映し出され、さながらドキュメンタリーの様相を呈した。

 「5番ピッチャー、藤川」がコールされると、甲子園に詰めかけた2万1392人の大観衆が、大歓声で応じた。そしてリンドバーグの「every little thing every precious thing」が流れると、その全員が聞き入った。就任後初めて、交代投手をマウンド上で出迎えた矢野監督からボールを手渡され、「藤川劇場」の最終回が、ドラマチックに幕を開けた。

 現役最後のマウンドでは、代打・坂本と対峙(たいじ)。その初球は、ほぼ、ど真ん中の148キロ。言うまでもなく、「火の玉ストレート」だった。その坂本を148キロ直球で空振り三振に仕留めると、続く代打・中島とも直球勝負を敢行。その初球で、この日最速の149キロをマークした。カウント2―2からの6球目、こん身の真ん中高め146キロ直球で、空振り三振を奪った。最後は重信を146キロ直球で二飛に打ち取った。

 オール直球勝負の12球。日米通算245セーブを誇る猛虎最高のクローザーは、「球児コール」に彩られながら、1回無安打無失点で自らの野球人生も締めくくった。

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