広島・森下 来季こそ「レベルアップしてタイトルを」 今季快進撃は周囲に感謝

[ 2020年11月10日 05:30 ]

森下・広島

 広島・森下暢仁投手(23)が9日、マツダスタジアムでの全体練習に参加。シーズンの規定投球回をクリアし、10勝3敗、防御率1・91の今季成績に満足感を示しつつ、周囲のサポートに感謝した。目標の新人王はほぼ確定。11日の今季最終・中日戦(マツダ)にはベンチ待機するものの登板予定はなく、来季以降のタイトル奪取に意欲を燃やした。

 ヤクルト戦(神宮)出発前に実施されたマツダスタジアムでの全体練習。遠征を外れる森下は、太陽の光を浴びながら穏やかな表情で汗を流した。未曽有のコロナ禍の中、全力で駆け抜けたプロ1年目。自身の成績には満足感がにじんだ。

 「毎試合、勝ちたいという気持ちで投げ続け、2桁勝てた上に防御率1点台に乗せることができた。1年目でしっかりとできたのかな…と思います」

 獅子奮迅の活躍だった。18試合に先発し、シーズンの規定投球回をクリアする122回2/3を投げて、10勝3敗、防御率1・91。コンディション不良で登板を1回飛ばしたとはいえ、離脱や不振が目立った中でチームへの貢献度は絶大だ。

 「言われるまではまだ分からないので、待っています」

 本人は至って慎重ながら、新人王は当確。規定投球回に到達した中日・大野雄、巨人・菅野、阪神・西勇ら6投手の中で、圧倒的に少ない被本塁打6も特筆ものだ。首脳陣や同僚ナイン、支えてくれたスタッフらへの感謝の思いは強い。

 「コロナ禍の中で野球ができたのは、いろいろな人がサポートしてくれたおかげ。先輩や後輩、みんなに声をかけてもらい投げやすかったし、トレーナーさんにはほぼ万全な状態で送り出してもらった。感謝です」

 6回1/3以上を零封なら防御率トップの大野雄を上回るが、佐々岡監督は本人の意向を確認した上で残り試合での先発回避を表明。森下自身「タイトルは厳しいな…と」と納得済みだ。11日の今季最終・中日戦にはベンチ待機するものの、登板機会は無さそうだ。

 「球界を代表する投手と渡り合えて、いい経験になった。ケガなく1年間投げられるように準備し、レベルアップしてタイトルを狙っていきたいです」

 鮮やかに踏み出したプロでの第一歩。森下が2年目以降にどんな成長曲線を描くのか、楽しみでならない。(江尾 卓也)

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2020年11月10日のニュース