敗戦、国学院大・鳥山監督の会見は“東都愛”にあふれていた

[ 2020年10月29日 12:04 ]

国学院大・鳥山泰孝監督
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 東都大学野球秋季リーグ戦は第4週が終わった。6勝(2敗)で亜大、立正大が並び5勝(3敗)で国学院大が追う展開だ。残るは11月3日からの最終週のみ。亜大は中大と、立正大は国学院大と直接対決となる。

 28日の第1試合、国学院大―中大戦はDeNA2位の牧秀俉内野手(松本第一)と日本ハム2位の五十幡亮汰外野手(佐野日大)の活躍で中大が快勝。痛い1敗を喫した国学院大・鳥山泰孝監督は試合後の会見場に穏やかな表情で現われた。

 「やはり牧君、五十幡君に仕事をさせてしまうとこうなるね」と敗因を語ったあと、今度は2人のすばらしさを延々と語り始めた。「こちらも2人を抑えるために準備をしてきているけど、それを上回った。牧君はきのう抑えられたウチの上出のストレートしっかり狙って打っているし、(左腕の)諸見里の変化球をね。緩急をつけて捕手の福永もリードしているんだけど」と同点打に決勝アーチを浴びた牧のすごさを解説した。続いて「五十幡君も牽制したり投手が投げるまでボールを持っていたりと警戒しているけど走られる。あの足は類を見ないし破壊力を感じます。野球に対する真摯(し)な姿勢も彼を成長させていますね」と2安打2盗塁の足を絶賛した。

 五十幡に関しては「彼が2年のときの入替え戦ですばらしい盗塁をしたんです。プレッシャーのかかる場面でね。それまでの五十幡君は決して盗塁がうまい選手ではなかった。あの盗塁で変わったと思う。本人には聞いてないけどね」と2年前の1シーンまで取り上げるほど。

 そして「ウチはもう2人と対戦しないから、もっと活躍して」と報道陣を笑わすことも忘れない。この2人だけでなく「平内君(亜大、巨人1位)ら東都大学から指名を受けプロに入る全員に頑張ってほしい。東都の仲間としてね」とエールを送る。敗戦監督は短い会見で終わるのが常だが、他校の選手の名前を挙げて激励する鳥山監督の姿に、東都大学を思う気持ちが伝わってくる。会見場に温かな空気が流れ、聞いている私もうれしくなった。(落合 紳哉)

 <東都大学野球の優勝の決め方>今季は各2試合、10試合で勝ち数の多いチームが優勝。同率の場合は対戦成績優位チーム。例えば亜大と国学院大が勝ち数で並んでも亜大が国学院大に連勝しているため亜大がV。亜大と立正大が並んだ場合は当該チームの対戦が1勝1敗のため1試合の優勝決定戦を行う。

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2020年10月29日のニュース