“さすがキャプテン”阪神・糸原 復帰初戦で意地の一発 8回には好守でも存在感

[ 2020年9月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-3巨人 ( 2020年9月7日    甲子園 )

<神・巨(13)> 9回無死、糸原は左越えソロを放ちポーズをとる (撮影・後藤 大輝)
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 このままでは終われない――。ファンを含めた猛虎陣営の総意を、阪神の糸原が結果で示した。2点を追う9回先頭。試合前までの13試合で1失点だったデラロサの、初球だ。

 シュート回転で真ん中にきた151キロを、歯をくいしばってフルスイングした。打球は低い弾道で左翼線に伸びポールのわずか右を通過。勝利にはつながらなくても、宿敵相手に意地を見せた。

 「リハビリ中もずっと支えていただいたトレーナーの方々、自分にたずさわってくれた全ての方々のおかげでグラウンドに立つことができている。感謝しています。待ってくれていたファンの方々にも励まされました。今日の応援も含めて本当に感謝しています」

 7月22日の広島戦で右手有鉤(ゆうこう)骨骨折を患い、手術した同28日から苦しい日々がはじまった。それでも、周囲の助力と自身の回復力で手術から41日後のこの日にスタメン復帰。第3打席にJX―ENEOSの同僚である高梨から復帰後初安打を放ち、9回に放物戦を描いた。

 7月21日の広島戦以来の一発で、出場28試合目にして自己最多3号を記録した。巨人戦での本塁打はプロ1号だった17年7月9日以来2本目。鮮やかすぎる復活劇に、矢野監督からは改めて信頼を寄せられた。

 「もともと勝負強いですしね。1打席目も(7球)粘って粘ってファウルを打っていた。どこに入れてもチームに貢献してくれる選手なので、健斗の仕事をしっかりやってくれてると思います」

 8回1死満塁の守備では一、二塁間の打球を好捕し、難しい体勢から送球し本塁封殺。攻守ともに存在感を示した。「切り替えて明日から臨むことが大事。チームが一つにならないと勝てない。もう一度チームが一つになって、戦っていきたい」。下を向いている暇はない。元気いっぱいの糸原が、懸命にチームを立て直す。 (巻木 周平)

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