中畑清氏 セ・パで足並み異なる今季、独走・巨人によぎる90年の悪夢…

[ 2020年9月8日 06:45 ]

スポニチ評論家の中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】ロッテの勢いは凄いねえ。去年17勝8敗と大きく勝ち越した首位ソフトバンクに敵地で3連勝。今年も8勝3敗1分けとして、0・5ゲーム差に迫った。

 レギュラーシーズン120試合の今季。パ・リーグだけ1、2位による3戦先勝制(1位にアドバンテージ1勝)のクライマックスシリーズ(CS)がある。3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本シリーズ制覇を狙うソフトバンクの前にロッテが大きく立ちはだかっている。

 もっとも首位から4ゲーム差の3位楽天も優勝が狙えるし、同じく6差の4位日本ハム、7・5差の5位西武まで2位はある。熱パ。最後まで目が離せないね。

 それに引き換え、セ・リーグは巨人が独走態勢に入った感じだね。7日現在、2位DeNAに8ゲーム差。しかもこちらは今季CSがないんだよね。それが怖いんだ。

 2位DeNAから6位広島まで5・5差。どこも3位は十分狙える。2007年に導入されたCSがあれば、最後まで緊張感を保てるんだけど、今季はそうはいかない。

 心配なのが1990年の再現だ。この年の巨人は開幕から独走し、9月8日に優勝を決めた。日本シリーズ開幕の42日も前だ。それだけ長く祝いの席と消化試合が続くわけでね。気持ちも緩む。

 やっと迎えたシリーズ第1戦。槙原寛己が初回いきなりデストラーデに3ランを食らって浮足立ってさ。ゲーム勘を取り戻すことのないまま4連敗を喫したんだ。

 今さらだけど、どうしてセ・パで足並みをそろえられなかったのか。ドーム球場を本拠とする球団がセの2に対してパは4。雨天中止の数が違う。セは120試合消化を優先してCSを断念したんだけど、日本シリーズはセ・パが同じ条件で戦わなきゃ。

 そうでなくても日本シリーズはパが7連勝中。去年は巨人がソフトバンクに4タテを食らっている。その上、今年は早々と優勝を決めて、CSを勝ち上がって勢いに乗るチームを相手にしなきゃいけないってのはきついよ。

 せめてセの他球団に意地を見せてほしいね。巨人戦中心のローテーションを組むとかさ。巨人の胴上げを1日でも遅らせてもらいたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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