大麻逮捕 ジャクソンという男 笑顔の裏で抱えていた“愛息と会えないつらさ”

[ 2020年7月10日 13:00 ]

先月28日の対オリックス5回でセーブを上げたジャクソン(撮影・長久保 豊)
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 大麻を液体状に加工した「大麻リキッド」を自宅に所持していたとし、9日にロッテを電撃退団したジャクソンが10日、大麻取締法違反の疑いで、広島県警に逮捕された。

 誰もが認める親日家だった。16年間から広島で3年間プレーしたジャクソンは、昨年はブルワーズに所属し、28試合に登板した。メジャーでも活躍できる実力を持ちながら、今季は再び日本に戻ってロッテに加入した。

 2月の石垣島キャンプでは、休日ながら報道陣とともに地元のテーマパークを訪問。「日本の文化を楽しもうと思った」と琉球民謡に合わせて踊り、黄色の琉球衣装にも着替えて記念撮影。飼育されていたリスザルとたわむれる表情は満面の笑みだった。

 趣味はスケッチ。陽気で穏やかな性格だった。笑顔がトレードマークだ。広島時代は帽子を少し上げて見せる表情が「ジャクソンスマイル」と呼ばれ、ロッテでは「スマイリージャクソン」がニックネームとなった。6月には「Smiley Jグッズ」としてTシャツ、タオルが球団から発売された。「いつもどんなときもスマイルを大切にしている。このTシャツを来てスマイルで日々を過ごしてほしい」。苦しいときも、笑顔で過ごすことがジャクソンの原動力となっていた。

 その裏で悩みも抱えていた。広島時代に日本人女性をパートナーとし、18年12月には長男が誕生。ところが、昨年から愛息と会えない状況になっていた。仮に親権をめぐり、裁判となれば費用もかかるだろう。前夜には米国のクラウドファンディングサイトで支援を募集したが、すでに閉鎖されてしまった。周囲を幸せにするような陽気な笑顔を見せながらも、不安を消すために大麻を使用していたとするならば、悲しすぎる。

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