広島・誠也 3号決勝弾!タナキク弾呼び連敗ストップ G止めた

[ 2020年6月25日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―1巨人 ( 2020年6月24日    東京D )

<巨・広>初回、左中間に先制2ランを放ち、ベンチの祝福を受ける鈴木(撮影・吉田 剛)
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 広島は24日の巨人戦に5―1で快勝し、連敗を2で止めた。初回に主砲・鈴木誠也外野手(25)が左中間へ会心の3号先制2ラン。田中広、菊池涼も一発が飛び出し、主力3人が鮮やかな競演だ。投げては九里亜蓮投手(28)が7回を2安打1失点(自責0)の力投。敵の連勝ストップに貢献し、うれしい今季初星を挙げた。

 強烈なオーラに圧倒的な飛距離。巨人外野陣は一歩も動かなかった。初回2死一塁で4番・鈴木誠。カウント2―1からメルセデスが投じた甘い144キロ直球を振り抜くと、放物線を描いた打球は敵地の左中間席上段へ吸い込まれた。会心の3号先制2ランだ。

 「甘い球を一発で仕留められた。連敗していたし、巨人への流れを止められたら…と思っていた。先制打になって良かったです」

 修正能力がキラリと光る。2ボールからの3球目、145キロの外寄り直球を空振り。メルセデスの球は「思った以上に来ている。甘い球を一発で仕留めないと厳しい」と感じ取り、タイミングを早めに取って4球目を芯で捉えた。才能だった。

 今から5年前の2015年3月。マウンドにはメジャーから復帰したばかりの黒田博樹が立っていた。開幕を前に本拠地マツダスタジアムで行われたシート打撃。鈴木誠は、打席の中での光景を今でもよく覚えている。

 「黒田さんが大きく見えて、バックスクリーンが見えなかった。生まれて初めてオーラを感じました」

 当時はまだブレーク前の20歳。以来、順調にスターへの階段を上がり、広島の4番どころか、日本の主砲に上り詰めた。世界一に輝く昨秋のプレミア12ではMVP。「こんな若造にオーラなんて無い無い」と笑うが、どうして、発する威圧的なオーラは強烈だ。

 「誠也が打ってチームを勢いづけた。この球場でジャイアンツ打線を考えると、1点でも2点でも多く取っていかないといけない。下位もつなかった」

 チームの連敗と巨人の連勝を止めた、投打かみ合う快勝劇。バットで貢献した4番打者を、佐々岡監督は絶賛する。開幕からの5試合で早くも3発。エンジン全開でも25歳は至って冷静だった。

 「まだ始まったばかりだし、たまたま甘い球を打って、いい角度で入ってくれているだけ。本塁打は全く意識していないです」
 つなぐ主砲の胸中に宿るフォア・ザ・チームの精神。今日も強烈なオーラを放ってチームの勝利に貢献する。(江尾 卓也)

 ▼広島・菊池涼(3回に開幕から20打席目で今季初安打となる中前打。5回に1号ソロなど3安打)たまたまです。いい追加点になったので良かったです。

 ▼広島・田中広(2回に右中間へ1号2ラン)積極的にいきました。(25日先発の遠藤に)明日も、いい流れでいけるようにしたい。

 ≪タナキク誠也弾そろい踏みは2年ぶり3度目≫広島は鈴木誠が初回に決勝の先制2ランを放つと2回に田中広が2ラン、5回に菊池涼がソロ。3人の本塁打そろい踏みは、18年8月1日ヤクルト戦以来2年ぶり3度目。全て勝利で巨人戦は初となった。また、鈴木誠の決勝本塁打は昨年5月15日のヤクルト戦以来通算22本目。うち巨人戦は5本目で、カード別ではヤクルト戦の7本に次ぎ多い。

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