「楽天の涌井」1勝!プロ初完投初完封の仙台で円熟投「うれしいというより、ホッとした」

[ 2020年6月25日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5-2日本ハム ( 2020年6月24日    楽天生命 )

<楽・日>楽天移籍初勝利を挙げた涌井(撮影・白鳥 佳樹) 
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 昨年12月に金銭トレードでロッテから移籍した楽天の涌井秀章投手(34)が24日の日本ハム戦で移籍後初登板初先発。104球で7回を投げきり4安打2失点に抑えて初勝利を飾った。入団2年目の06年にプロ初完投で完封勝利を挙げた思い出の仙台で、新たな一歩を踏み出した右腕の力投でチームは4勝1敗でロッテと並び首位をキープした。

 楽天生命パークでの初めてのお立ち台で涌井が照れくさそうにマイクを握った。隣では西武時代の後輩で1年先に楽天入りした浅村が見つめる中「はじめまして、涌井秀章です。もっともっと勝ちたいと思います」。画面の向こう側にいる多くの楽天ファンをイメージしながら自己紹介。新天地の一員になれたと実感した瞬間だった。

 「うれしいというより、ホッとした気持ちの方が強かった」

 2回に中田にソロを浴び、3回にも1点を失ったが、回を追うごとに調子が上がるのが真骨頂。4回以降はわずか1安打に封じた。7回で104球。「もう1イニングいくつもりだった。まだまだ投げられる感じだった」と本人は話したが、先発投手が球数を考慮されている中で長い回を投げきり、三木監督は「非常に価値がある。素晴らしい」と称えた。

 金銭トレードでロッテから加入した最多勝3度を誇るベテラン。新天地でも、キャンプ中から則本昂や森原といった主力選手のお手本となっている。技術的な助言や、トレーニングや調整法も伝授。そんな野球に取り組む姿勢を三木監督は「プロフェッショナルとしての姿勢が素晴らしい」と評する。チームに活力を与えている。

 楽天生命パークは、プロ2年目の06年4月23日に初完投初完封勝利を挙げた場所。西武からロッテを経て、活躍の舞台を移した「杜の都」で記した通算134勝目。21日に誕生日を迎え34歳になって最初の登板は、心に刻まれる試合となった。

 「一歩一歩、1勝1勝を積み重ねて優勝したい」。冷たい仙台の夜風を浴びながら、背番号16は力強い決意表明で締めくくった。(重光 晋太郎)

 《3球団以上勝利 現役では3人目》○…涌井(楽)が移籍後初登板で初勝利。西武での85勝、ロッテでの48勝に次ぎ3チームでの勝利になった。現役で所属3球団以上で勝利は、近藤一樹(近鉄1勝、オ30勝、ヤ12勝)、藤岡好明(ソ18勝、日1勝、D3勝)に次ぎ3人目。また、涌井が勝った試合で浅村が勝利打点を挙げるのは西武時代の13年8月7日の日本ハム戦以来5度目。うち、涌井が先発勝利で、浅村が決勝弾となると、11年9月27日に現在両者が所属する楽天を相手にこの日と同じ球場(当時はKスタ宮城)で記録して以来9年ぶり。

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