阪神・福留「少しでも前を向いて取り組んで」 高校球児のため「甲子園の土」を矢野監督、選手らが自ら収集

[ 2020年6月17日 05:30 ]

<阪神練習>高校球児に贈る甲子園の土を自らの手で集める福留(撮影・北條 貴史)
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 阪神選手たちが気持ちを込めて土をすくい上げた。午前11時30分。高校野球のプレーボールとゲームセット時に流れるサイレンが甲子園球場に響き渡ってスタートした。

 「これが実際に自分たちがプレーして集めていたらもっと重みがあるんだろうとも感じますし、それでも甲子園の土の感触はやっぱりいいものだなと思う。それを少しでも全国の高校生に届けることができたら、僕たちとしてはよかったなと思いますね」

 球界最年長の福留は球児を思いやり袋いっぱいに特別な土を詰め込んだ。日本高野連に加盟する全国の硬式・軟式野球部に所属する高校3年生と女子の硬式、軟式野球部員に贈呈する「甲子園の土キーホルダー」に使用する土。練習前に監督、コーチ、選手、スコアラー、トレーナー、球団関係者ら約60人が一塁と三塁のベンチ前に分かれて一生懸命に手を動かしていた。

 「選手全員で土を集めて、みなさんにお送りします。これで少しでもまた前を向いていろいろなことに取り組んでください。周りの方々にも感謝の気持ちを忘れずに頑張ってください」

 自身も阪神淡路大震災が発生した1995年に、PL学園3年生の主砲として春と夏の甲子園に出場。しかし、チーム全体として土は持って帰らなかっただけに特別は思いはある。19日の開幕・巨人。「気持ちというか体からは闘志あふれながらも、冷静に」。球界最年長の43歳も、まるで高校生のように野球を待ちわびている。(山本 浩之)

 ▼阪神園芸・金沢健児甲子園施設部長 やり切れない気持ちもある中で、少しでも力になれば。努力してきたことは無駄にならないと思いますし、野球人生の記念として受け取ってもらえたら良いと思います。

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2020年6月17日のニュース