中畑清氏 開幕してすぐ見られるかも!?ロッテ・朗希 1軍舞台で夢の170キロ

[ 2020年6月2日 06:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】いよいよだね。19日開幕が決まり、きょう2日から練習試合が始まる。今季は試合数が143から120に減るけど、開幕が3カ月遅れたことによって違った楽しみが生まれた。

 佐々木朗希(ロッテ)と奥川恭伸(ヤクルト)。シーズン中盤以降と思われていたルーキーのデビューが、開幕してすぐ実現するかもしれないんだ。

 中でも佐々木朗。5月26日のシート打撃で11球投げ、160キロを2球マークした。映像しか見てないけど、キャンプのときより2回りでかくなっている。お尻だよ、お尻。

 高校時代85キロだった体重はキャンプの頃で90キロになり、今は92キロあるらしい。外出自粛のコロナ太りじゃない。自分に必要なことを理解し、自主練習期間中もトレーニングコーチに与えられたメニューをしっかりこなして筋肉を強化してきたんだ。

 巨人時代の仲間、江川卓がそうだったけど、投手はでかい尻がフォームの安定、スピードボールを生む。

 これから練習試合、公式戦とステージが上がって緊張感や集中力が高まれば、スピードはもっと上がる。もしかしたら世界を変えるよ。夢の170キロ。試合の状況や相手打者、集中力が頂点に達する条件が整えば、かなえてくれそうな気がする。

 大谷翔平(エンゼルス)以上の選手は出てこないと思ったけど、あっという間に出てきたね。投手としては既に超えている。ともに岩手県出身。凄いな、東北。厳しい気候、環境を乗り越えてきたメンタルの強さだけじゃない。

 佐々木朗は東日本大震災でお父さんを亡くし、仲間と目指した甲子園は岩手大会決勝のマウンドに立てず逃した。短期間でいろんなことを経験したからこそ、モチベーション、目標、夢をより強く持てるんじゃないかな。

 練習試合で3イニング、5イニングをしっかりこなせれば開幕OKだと思う。無観客だけど、映像でその右腕が繰り出す全球がファンに届けられる。日本だけじゃない。地球の隅々まで発信されるんだ。

 新型コロナウイルスに覆われた世界を明るくするビッグニュース…。しっかり見届けたい。(本紙評論家・中畑 清)

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