阪神・矢野監督 開幕戦の巨人に「やり返したい」 開幕から5カード連続敵地も「言いわけしない」

[ 2020年6月2日 05:30 ]

開幕戦で激突が決まった巨人・原辰徳監督(左)と阪神・矢野燿大監督

 プロ野球のセ、パ両リーグは1日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期され、19日に開幕する公式戦の一部日程を発表。ナイター6試合でスタートする。阪神は巨人との開幕を含め5カード連続で敵地で戦うことが決まったが、矢野燿大監督(51)は伝統の一戦での始まりをプラスに捉え、その後の敵地戦に弾みを付ける構えをみせた。7月7日から5カード連続で予定される本拠地・甲子園での戦いで、ペナントレースの主導権を奪いに行く。

 開幕から5カード連続で敵地での試合。しかも開幕の相手は昨季のリーグ覇者である宿敵巨人に決まった。シーズン最初から厳しい戦いが予想される中、矢野監督はどこまでも前向きだった。

 「注目してもらえると思う。去年のシーズンは、だいぶやられたから、やり返したいという気持ちもある。いろんな思いを持って、この野球ができなかったという特別なシーズンで、またジャイアンツと開幕カードできるっていうのはプラス」

 昨季は10勝15敗と負け越し東京ドームでも5勝8敗に終わった。日本シリーズ進出を狙ったクライマックス・シリーズのファイナルステージでも1勝3敗と屈した。苦い、悔しい過去があるだけに巨人のユニホームを見るだけで、おのずと燃える。

 「どこも開幕ダッシュしたいと思うので、その気持ちをぶつけて。3連戦だけが開幕じゃないんやけど、やっぱりね。気持ちは高ぶっていくと思う」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でレギュラーシーズンは当初の143試合から120試合に減少。例年以上に開幕ダッシュがシーズンの行方を左右することも考えられる。巨人戦後はヤクルト、DeNA、中日、広島とも敵地で対戦。いきなり長期遠征となり負担は大きいが、指揮官は現実から逃げることはしなかった。

 「それはあんまり(心配に)思ってないね。だって、ホームでやらしてくれって言っても、日程がそうなってたらね。言いわけはしない」

 厳しい戦いをしのげば、見えない力をくれる甲子園に戻る。発表された日程では7月7日から5カード計15試合を予定。同10日からは有観客試合になる可能性もある。昨季32勝29敗1分けと勝ち越しており、敵地5カードで、ある程度の戦いができれば、本拠での白星量産でペナントレースの主導権を握ることも期待できる。

 きょう2日から開幕に向け最終調整となる12試合の練習試合がスタートする。開幕メンバーの選考も本格化。「いろいろ見たいなとは思っている」と矢野監督。「日本一になる」と決めている20年シーズン。一戦必勝で最初の山場を乗り切り、聖地に戻ってくる青写真を、すでに描いているはずだ。(山本 浩之)

 《開幕5カード連続ビジターは史上最長》阪神は開幕から5カード連続で敵地で戦うことが決まった。5カード以上連続のビジターゲームは10年6月9日~27日の5カード11試合(西武D(2)、千葉(2)、横浜(2)、米子(2)、神宮(3))以来で、この間6勝5敗。すべて3連戦の5カード15試合は00年8月4日~20日(広島・倉敷、神宮、ナゴヤD、東京D、横浜)以来で、この間8連敗を含む6勝9敗と負け越している。フランチャイズ制が確立された52年以降、阪神が開幕から5カード連続ビジターで戦ったことはなく、54年と57年の4カード11試合を上回り史上最長となる。

 一方で、敵地での5カード消化後の7月7日からは本拠地の甲子園で各3連戦が5カード続く。52年以降に阪神が甲子園で行った最長連戦は60年の16試合。7月16日から8月4日までの20日間に国鉄、広島、大洋、巨人、大洋、国鉄の順に対戦し11勝4敗1分けだった。甲子園10連戦以上は27度あり、直近は2002年の12連戦。7月23日から巨人、中日、横浜、ヤクルトと各3連戦を行い6勝6敗だった。

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