夏13連覇中、福島・聖光学院の斎藤智也監督 独自の「2地区制」提案 長距離移動などのリスク軽減

[ 2020年5月22日 05:30 ]

 第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕予定、甲子園)の中止が決定してから一夜明けた21日、夏13連覇中の聖光学院(福島)が取材に応じた。斎藤智也監督(56)は福島県で行われる代替大会に関して、独自の「2地区制」を提案した。

 気持ちを切り替えて汗を流す聖光学院ナインを、いつも通りに見守った斎藤監督。福島県高野連が前向きに開催を検討する代替大会について、「球場の確保、運営の問題などもあるけど、理想は語っておきたい」と独自の案を口にした。

 まず県内6支部を距離的に近い支部同士((1)県北、県中、会津(2)県南、相双、いわき)で2地区に分ける。その地区に所在する球場を使い、各地区でトーナメントを行うという案だ。

 昨秋の県大会で優勝した学法福島(県北)や磐城(いわき)などシードポイントの高いチームは、初戦で強豪校との対決を避けたり、地元の「ホーム球場」で多くの試合をさせるなど優遇する。「2地区制」で残った上位16チーム、あるいは8チームが県の中央に位置する郡山市のヨーク開成山スタジアムでの「決勝大会」に進む。これが“斎藤プラン”となる。

 夏の県大会は各支部予選と異なり、遠く離れた会場での試合を強いられるチームもあった。昨年は保原(県北)がいわき市の球場へ約2時間以上かけて移動した例もある。斎藤監督の「2地区制」では最初は比較的近いチーム同士の対戦となるため、長距離移動や宿泊といったウイルス感染のリスクが減らすことができる。「決勝大会」に残ったチームは郡山市開催のため、各地域からの移動が容易。週末限定の開催でも2週間で決勝大会は終了するため、大会期間は短縮できる。代替大会の最大の問題となる“密対策”には、もってこいのプランとなる。

 斎藤監督が最も危惧するのは、代替大会が行われず3年生の花道を飾らせてあげられないこと。だが、開催されたとしても各支部大会のような形で終わらせず“全県対決”で悔いなく、やらせたい思いがある。従来の夏の県大会レベルを保ちたいと名将は願う。「甲子園にはつながらない分、各チームの歩みを発表する場所になる。本物が分かる大会になる」と話した。(近藤 大暉)

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2020年5月22日のニュース