ソフトB・和田 球児救済の“聖地ツアー”提案「キャッチボール、卒部式、土を持って帰る」

[ 2020年5月22日 05:30 ]

浜田高時代の和田毅投手
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 ソフトバンクの和田毅投手(39)が21日、ペイペイドームでの練習後にオンラインで取材に応じ、夏の甲子園中止で目標を失った球児を救済する私案を披露した。各都道府県で実施が検討されている代替大会の優勝校が、甲子園で卒部式や土の持ち帰りができるように取り計らうよう提案。98年夏にベスト8進出した元甲子園球児が、夢の舞台に立てない球児たちのために声を上げた。

 オンラインで取材に対応し、報道陣からの質問を受けていた最中だった。和田は「個人意見、妄想ではあるけど…」と前置きした上で、夏の甲子園大会中止で目標を失った高校球児を救済する案を切り出した。

 「何かの大会が全国で開催されたら、その優勝チームに30分間でもいいので甲子園でのキャッチボールや卒部式、写真撮影、土を持って帰ることなど、そんなことはできないのかなと。移動の問題があるとは思いますけど」

 出場権をかけた地方大会が中止になったことも分かっている。それでも声を上げずにはいられなかった。自身は浜田(島根)のエースとして98年夏の甲子園に出場。ベスト8入りの活躍が、早大への進学、プロ入りへのステップとなった。「一言では話せない特別な場所」。甲子園の素晴らしさを知っているからこそ、球児たちに肌で感じてほしい。そんな願いを込めた“聖地体感”の私案で、各都道府県で実施が検討されている代替大会の優勝校に配慮してほしいと訴えた。

 さらに日本プロ野球選手会が球児の支援を検討していることにも賛同し、これを契機にプロとアマの関係がさらに改善されることを切望した。「選手会の動きもうれしかった。これを機にプロとアマが雪解けとなって、指導が緩和されたらいいと考えていて。(現)高校3年生が“こういうことがあったから緩和された年になった”と思えば一つの思い出になると思う。協力できるならしたいし、何か変わるきっかけになってほしい」と述べた。

 あの熱かった夏から22年。プロ野球も新型コロナウイルスの影響で開幕が不透明な状況が続いている。日米通算18年目のベテランは言った。「開幕した時、僕らが“凄えな”と思われる全力プレーをテレビやネット画面を通じて見てもらえるよう頑張りたい」。野球の素晴らしさを感じてもらえるため、元甲子園球児は白球に思いを込める。

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2020年5月22日のニュース