生粋のレオ党から球団広報に 田代裕大氏、ちょうど2年前に“デビュー戦”「緊張しっぱなしでした」

[ 2020年4月22日 12:00 ]

2018年4月22日<西・ロ>お立ち台で浅村(左)とガッツポーズする移籍後初勝利を挙げた高木勇(撮影・木村 揚輔)
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 開幕の見通しが立たないプロ野球。チームに携わる者にとっても煮え切らない毎日が続いている。

 「オフの間、ずっと楽しみにしていたファンの皆さまがその想いをぶつけることができないのは、大変心苦しく思います」

 そう語るのは西武の球団広報を務めている田代裕大氏(30)だ。ちょうど2年前の4月22日、西武は本拠地のメットライフドームでロッテに11―5で完勝。同試合は田代氏にとっての「デビュー戦」だった。

 広報業務の一つにメディアのネット速報などのため、適時打や本塁打を放った選手のコメントを取る仕事がある。来るべき時に備え、試合中はベンチ裏の一室で、モニター越しに試合を見守る。「コメント1個を取りに行くのにも、どのタイミングで行くか考えながら、1試合緊張しっぱなしでした」と田代氏。傍らには代打起用に備え、一心不乱にスイングを繰り返す松井稼頭央(現2軍監督)の姿があった。「スタンドもファンが多くて緊張しました。選手もオープン戦とは全く雰囲気が違う。ただのファンだった自分が…夢のような状況でした」と回想した。

 祖父母が西所沢に住んでいたこともあり、小学1年の頃から生粋のライオンズファンだ。特にお気に入りだったのは高木大成(現球団職員)で、スポーツ紙をスクラップブックにまとめていた。社会人になってからも熱い気持ちを抑えることはできず、17年5月に前職を辞め、西武球団に入社。18年から広報としてチームに携わっている。

 この日は巨人から移籍1年目で初先発初勝利を挙げた高木勇人(現メキシカンリーグ)と、初回の2ランを含む3安打3打点の浅村栄斗(現楽天)が、お立ち台に上がった。ヒーローを選ぶのも広報の重要な任務だ。「この日は白星の高木勇と浅村がヒーローだと言い聞かせていました。ファンの思いと相違が出ないように注意深く見ています」と熱く語る姿は、さすが生粋の“レオ党”。「心の底から野球を楽しめる日が早くくることを願っています」。陰ながらチームを支える男も気持ちはファンと同じだ。(記者コラム・花里 雄太)

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2020年4月22日のニュース