日本ハム・中田 天国のノムさんに誓う3冠王「目指さなければいけない、頑張りたい」

[ 2020年2月13日 05:30 ]

<日本ハム>打撃投手を務めたマルティネスの球を打つ中田(撮影・高橋 茂夫)
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 天国に吉報を届ける!日本ハムの1軍は12日、沖縄・名護キャンプの第3クール2日目のメニューを消化。フリー打撃で快音を連発するなど3月20日のシーズン開幕に向けて順調に調整を進めている主砲の中田翔内野手(30)は、前日11日に急逝した野村克也氏(享年84)のような大打者の証でもある3冠王を目指す意向を明かした。

 天国へと旅立った大先輩に「3冠王」という吉報を届ける。中田は決意を胸に、強いスイングを繰り返した。実戦形式の打撃練習では来日3年目のマルティネスと対戦し、通常のフリー打撃では快音を連発。その後も球場に隣接する室内練習場に移動し、黙々とマシン打撃を繰り返した。

 前日に飛び込んだ訃報。現役時代にいずれもプロ野球歴代2位となる657本塁打、1988打点をマークし、ヤクルト、楽天などで監督も歴任した野村克也氏が都内の自宅で虚血性心不全のため死去した。同じ右打ちの長距離砲でもある中田は「本当にビックリした」と神妙な表情で語りだし「自分にとっては雲の上の人で、ずっとプロ野球界をけん引されてきた方」とコメント。生前に同じチームになるなどの直接の縁はなかったが、球場で会うたび「おまえはいい選手になる」「いいケツしとるな」などと声を掛けられただけに「いつも自分のことを気にしてくれていた」と感謝する。

 野村氏は65年に打率・320、42本塁打、110打点で戦後初の3冠王に輝いた。過去の各部門のキャリアハイが打率・305、30本塁打、110打点でもある主砲は「自分もバッターをやっている以上は目指さなければいけない。頑張りたい」と闘志を燃やす。4番としてチームの勝利に直結しやすい打点を常に意識しているが、より確実性が増せば3冠王も夢ではない。

 昨季は7月下旬に打席でスイングした際に右手親指付近を痛めたことで打撃が急降下。主砲の不振がそのままチーム成績に直結し、8月は5勝20敗1分けと大失速して3年連続で優勝を逃した。それだけに今季に懸ける思いは強い。ここまで順調に調整を続けており「むちゃくちゃ状態がいい。ここ4、5年で一番いいかもしれない」と手応えを語った。

 今季はシーズン開幕が3月20日と例年よりも10日ほど早いため、15日の紅白戦で今季初の実戦に臨む可能性もある。4番が故障なく打撃3部門の成績を伸ばせば、4年ぶりのリーグ優勝と日本一は一気に現実味を帯びる。(山田 忠範)

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