巨人 阿部2軍監督、初采配“初勝利”VS1軍紅白戦で逆転完勝、原監督も「凄い」

[ 2020年2月5日 05:30 ]

宮崎キャンプ・紅白戦   2、3軍 7―1 1軍 ※特別ルール ( 2020年2月4日    サンマリン宮崎 )

<巨人 宮崎キャンプ紅白戦>3回、左前2点適時打を放ったモタ(右)にご満悦な表情の阿部2軍監督(撮影・西海健太郎)
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 巨人は4日、昨年に続いて宮崎キャンプで「1軍VS2、3軍」の紅白戦を実施。新任の阿部慎之助2軍監督(40)が2、3軍で初采配を振り、7―1で逆転勝利を飾った。ともに汗を流して鍛えているイスラエル・モタ外野手(24)ら「阿部チルドレン」が躍動。下克上を果たした若手をねぎらい、さらなる飛躍を期待した。

 宮崎の青空の下、教え子たちと交わすハイタッチ。初めて「監督」として臨んだ実戦は14安打7得点の快勝だ。阿部2軍監督は「しっかりとした野球ができた。彼らの頑張りなので」とまずは若手をねぎらい「そこまでは違和感なかったけど、やっぱり難しいなと。選手交代やサインをもうちょい手際よくやるのが僕の仕事」と反省も忘れなかった。

 監督初陣。「まずは観察しようと。この子たちがどういう気持ち、振る舞いでベンチにいるのか」とサングラス越しに目を光らせた。選手の特徴を見極めながらメモを取り、ベンチワークにも頭をフル回転。そんな姿に選手も奮起した。投手陣は7人継投で1失点。育成3年目の笠井が3安打すれば大型外野手の村上も2安打を放った。それぞれが存在感を放った中で、持ち前の怪力を見せつけたのがドミニカ共和国出身で育成2年目のモタだ。

 阿部2軍監督がキャンプ前から唯一、紅白戦の4番起用を決めていた大砲。1―1の3回無死満塁で豪快なスイングから左翼線へ強烈な2点適時打を放ち「いいアピールができてよかった」と笑顔。5回は左翼ポール際へ特大ファウルも放ち、球場をどよめかせた。

 ジャイアンツ球場ではスコアボード直撃弾も放った怪力男を阿部2軍監督も熱血指導。打撃練習だけでなくノックでは左右に大きく振って打球を追わせる。すぐに休憩しようとするモタに「この野郎」と厳しい言葉も飛ばすが、スペイン語と英語で「ムーチョ、ムーチョ、マネーよ(頑張れば金が稼げる)」と鼓舞も忘れない。「その気にさせるのが僕らの仕事」とアメとムチで鍛える。愛弟子の活躍に「もちろんうれしい。8、9日の紅白戦に推薦できるようにもっと頑張ってほしい」とさらなる奮起を期待。ジャパニーズドリームも、そう遠くない。

 元木ヘッドコーチに1軍の指揮を執らせ、フラットな目線で試合を見守った原監督は阿部2軍監督について「ベンチでの言葉とか動きに対し、非常に意思が出ている。遠慮なく伝えられているのは凄い」と評価する。キャンプインから毎日7時間以上動き回っている40歳が、新たなスターをつくり上げる。 (青森 正宣)

 ▼巨人元木ヘッドコーチ 2、3軍選手の方が気持ちを出していた。1軍気取りでやっているとすぐに抜かれちゃうよ。

 ▼巨人宮本投手チーフコーチ(1軍投手が)向こう(2、3軍)の圧に負けた。投手全体に火を付けてくれた。

 ◆笠井 駿(かさい・しゅん)1995年(平7)4月20日生まれ、東京都出身の24歳。国士舘―東北福祉大を経て17年育成ドラフト3位で入団。イースタン2年間の通算成績は17試合31打数3安打の打率.097、本塁打、打点とも0。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。年俸300万円(推定)。

 ◆イスラエル・モタ 1996年1月3日生まれ、ドミニカ共和国出身の24歳。ベセル高―ナショナルズ傘下マイナーを経て昨季巨人入り。19年イースタンは22試合32打数10安打、1本塁打、6打点の打率.313。1メートル88、98キロ。右投げ右打ち。年俸230万円(推定)。

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