日本ハムドラ5 創価大・望月が仮契約 天国の父よ見守って「契約金でお墓を」

[ 2019年11月16日 10:06 ]

仮契約を結び、大渕スカウト部長(右)、西スカウト(左)と握手する日本ハムのドラフト5位・望月(創価大)
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 日本ハムからドラフト5位指名を受けた創価大・望月大希投手(21)が15日、都内の同校で契約金3500万円、年俸770万円で仮契約を結んだ。父・勇治さん(享年60)を10歳の時に亡くし、女手一つで3人の子供を育ててきた母・美雪さん(51)や家族に恩返しの活躍を宣言。1メートル87の146キロ右腕は、1年目の1軍勝利を目標とし、父の墓前に勝利球を届けることを誓った。

 誰かのために戦う力は必ず大きなものになる。望月は亡くなった父のため、自らを犠牲にして野球を続けさせてくれた家族に恩返しするため、プロの厳しい世界で戦い抜く覚悟を固めた。「(父に)活躍している姿を見せられれば。プロ入りは自分の力だけでは無理だったので感謝したい。契約金で家族に何か買ってあげたい」。緊張の面持ちで仮契約を結んだ右腕はまず家族への感謝を口にした。

 3人きょうだいの末っ子が考える契約金の使い道の一つが、父の「墓を建てる」ことだ。美雪さんは勇治さんが他界後、3人の子供に苦労を感じさせまいと、子供たちが帰宅する時間に一つの仕事を終えて食事などを用意。子供たちが寝静まった深夜に再び働きに出る生活を続けていたという。望月も「寝ている時間に働いていたのは知らなかった」と明かす。兄・悠佑さんは大好きだった野球を泣く泣く諦め、末っ子に野球を続けさせてくれた。その感謝の思いをプロの世界で体現する。

 大渕スカウト部長が「器用」と言う指先を使ったトランプマジックが特技。同スカウト部長は「角度のある直球とカーブが武器。(日本ハムの)石川直に近い」と言う。栗山監督も即戦力と期待するイケメン右腕が、大きな夢を胸に秘め、プロの世界で羽ばたく。(東尾 洋樹)

 ◆望月 大希(もちづき・だいき)1998年(平10)2月1日生まれ、千葉県出身の21歳。市船橋では甲子園出場経験なし。創価大では1年春からベンチ入りし、全日本大学選手権、明治神宮大会にそれぞれ2度出場。4年時には大学日本代表の候補合宿にも招集された。1メートル87、85キロ。右投げ右打ち。

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2019年11月16日のニュース