マエケン、悔しい敗退も今季成績には手応え「4年目でプラスになる数字がいっぱい出てきた」

[ 2019年10月10日 19:19 ]

ナショナルズ戦の10回、4点のリードを許す展開に厳しい表情で試合を見つめるドジャース・前田
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 ドジャースの前田健太投手(31)が9日(日本時間10日)、本拠地ドジャースタジアムで行われた地区シリーズ第5戦のナショナルズ戦で好救援を見せたが、延長10回に4番手ケリーが満塁弾を浴びた。4年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出を逃し、1988年以来の世界一は夢は破れ「毎年、こうやって悔しい思いを持って終わってしまう」と悔しがった。

 2点リードの8回。7回2死から登板したエース左腕カーショーが、8回もレンドン、ソトの2人に投げ、その後に前田がケンドリックに投げる予定だった。ところが、カーショーがまさかの2者連続弾を浴び、前田に出番が回ってきた。

 「あれが2点差のまま、2死走者なしなら心境も違う。同点になったら、どうしてもプレッシャーが強くなる」。だが、マウンドに上がればプレッシャーは力に変わった。そして、冷静かつ大胆だった。今シリーズ4度目の対決になるケンドリックに初球94マイル(約151キロ)、ど真ん中の直球で見逃しストライクを奪った。「(ケンドリックに対して)前の2打席は、ストレートを1球も投げずスライダーをずっと投げていた。スライダーが相当、頭にあると思うので、ストレートで細かいところを狙わず、ど真ん中に力でいけば、ストライクが取れると思ってました」。追い込んでから、最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。

 続くジマーマンに対しては1ボール1ストライクからメジャー自己最速タイの96マイル(約154キロ)で見逃しストライクを奪い、追い込んだ。「これくらいプレッシャーがかかって、緊張感がないとスピードが出ない。逆にこういう状況で出せるのは自分の強み。プレッシャーがかかればかかるほど、力が出るタイプなのかもしれない」。ジマーマン、ゴームズと全て最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。14球で5つの空振りを奪い、圧巻の3者連続の空振り三振。前田が空振りを奪うたびに、静まり返っていたドジャースタジアムの5万4159人のファンのエネルギーがよみがえり、大歓声があがった。

 役目は果たしたが、試合には敗れた。延長10回、リリーフのジョー・ケリーが満塁本塁打を打たれ3対7の敗戦となり「チームスポーツなので、自分が良くても、負けるってことは選手にとって一番悔しいこと。今は、悔しい気持ちが一番」と唇をかんだ。メジャー移籍後、4年連続でプレーオフ進出も、今回は最も早い地区シリーズでの敗退だった。ただ、前田自身は公式戦では4年間でベストの被打率・202、空振り率14%など「エリート先発投手」に近い数字を残した。このプレーオフでもプレッシャーの掛かる場面で4試合、4回2/3を投げ1安打無失点と圧倒的な結果を残した。「段々、数字は落ちていくもんだと思うんですけど、4年目でプラスになる数字がいっぱい出てきたのは僕にとって凄く大きい」と手応えを口にした。

 来季への課題は右打者への被打率・158に対し、同・247と苦手な左打者対策。「自分のボールの特徴をもう一度頭に入れながら、左打者に投げるボールをもうちょっと考えていかないといけない。こうやっていこうかなというプランは僕の中にあるので」。メジャー5年目へ向け「何とかワールドチャンピオンを次こそは勝ち取れるように努力していきたい」と力を込めた。(奥田 秀樹通信員)

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