日本ハム 武田勝氏が投手コーチで入閣へ 生え抜き左腕エース4年ぶり復帰

[ 2019年10月10日 05:40 ]

日本ハムが入閣を検討していることが分かった武田勝氏
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 日本ハムが投手コーチとして球団OBの武田勝氏(41)の入閣を検討していることが9日、分かった。通算82勝の武田氏は現在、球団職員として独立リーグのBC・石川に監督として派遣されている。また、球団はこの日、来季のヘッド兼打撃コーチとして前中日2軍監督の小笠原道大氏(45)の就任を発表。ともに一時代を築いた球団OBを投打の指導陣に起用し、再建を図る。

 今季5位からの巻き返しを狙う2020年。生え抜き左腕でエースとして一時代を築いた武田氏が4年ぶりに北海道に帰ってくる。

 現役時代、直球の球速は130キロ前後ながら、変則的なフォームと巧みな投球術で通算82勝を挙げた。お立ち台でオカリナを吹くなどファンへのサービス精神も高く、引退した16年のシーズン終盤には優勝に向けた大一番の円陣で「俺のために優勝しろ」と書かれた紙をナインに示して盛り上げた。その後は打撃投手として日本一まで駆け上がったチームをサポート。同僚からの人望も厚かった。

 17年からは球団に籍を置きながらBC・石川に派遣され、指導者としての勉強をスタート。「総合コーチ」と「Vice President(ヴァイス プレジデント)」を兼務してグラウンドでの選手指導だけでなく、地元のテレビ出演や営業などにも奔走した。昨年から監督に就任。持ち前の明るい性格と親身な指導で選手らのハートをつかみ、チームをまとめ上げた。

 今季、チーム防御率はリーグ3位の3・76ながら発展途上の若手が多く、特に先発の駒不足は深刻。一本立ちしているのは今季15勝で初の最多勝に輝いた有原と、昨季11勝で今季は故障で5勝止まりだった上沢のみで、今季は先発に短いイニングを任せ、2番手にタイプの違う投手を用意する「栗山流オープナー」を多用した。仮に武田氏が1軍に配置された際は、同じ左腕で高い潜在能力を持ちながら殻を破れていない加藤、堀、北浦らの育成に期待がかかる。

 武田氏は16年9月30日の引退セレモニーで「僕はファイターズが大好きです。僕は北海道が大好きです」と涙で語り、場内は感動に包まれた。北海道のファンに愛された男は一回りも二回りも成長し、再びチームの勝利のために身を削る。

 ◆武田 勝(たけだ・まさる)1978年(昭53)7月10日生まれ、愛知県出身の41歳。関東第一―立正大―シダックスを経て、05年大学・社会人ドラフト4巡目で日本ハム入団。09年から4年連続で2桁勝利を挙げるなど通算244試合に登板し、82勝61敗1セーブ、防御率3・02。16年に現役引退し、18年から今季までBC石川で監督を務める。1メートル76、73キロ。左投げ左打ち。

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