大谷、26戦ぶりに3安打 被災地中学生の声援に応える「僕自身勇気づけられる」

[ 2019年8月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―1タイガース ( 2019年7月30日    アナハイム )

<エンゼルス・タイガース>初回、中前打を放つ大谷(AP)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(25)は30日(日本時間31日)、タイガース戦で初回に12打席ぶりとなる中前打を放つなど、26試合ぶりの3安打に1打点1得点1盗塁で6―1勝利に貢献した。23度目のマルチ安打は昨季に並んだ。試合前に交流した、被災地である宮城県石巻市と熊本県の中学生が右翼席から見守る中、頼れるヒーローの雄姿を見せた。

 3安打目はこの日最も力強く打ち抜いた。5回1死二塁、右腕バーハゲンの外角低めツーシームを大谷は逆らわず、中前へ鋭くはじき返した。二塁走者を迎え入れる適時打でリードを3点に広げた。

 「タイムリーも良かったですし。一打席一打席しっかり内容があったかなと思います」

 前日まで11打席無安打だったが、初回に右寄りシフトの逆を突き、遊撃定位置を抜く中前打。3回先頭は俊足を飛ばして三塁内野安打で出ると、次打者の初球に今季9盗塁目の二盗に成功した。05、06年の井口(ホワイトソックス)以来、日本選手2人目となる1年目からの2年連続2桁本塁打&2桁盗塁に王手。6月28日のアスレチックス戦以来となる3安打固め打ちに積極走塁で、勝利に貢献した。

 右翼席では「がんばっぺ 大谷翔平」と手作りの東北弁ボードが躍った。「東北・熊本復興支援ベースボールプロジェクト」として宮城県石巻市と熊本県の中学生17人が来場。試合前打撃練習を間近で見学し、記念撮影に納まるなど交流した。

 「お互い、いい刺激というか。僕は試合で頑張るのが一番ですが、今日のように勝つゲームを見せられたら。僕自身勇気づけられることはあると思う」。最近は室内ケージで打ち込むことが多く、6日ぶりの屋外フリー打撃は、33スイングで圧巻の18発。驚異の柵越え率・545の弾道に、中学生たちの歓声も止まらなかった。

 「絶好調ではないが常にそこに持っていけるよう努力している。あとちょっとの微妙なところじゃないかな」。鋭い打球が正面を突くなど、2試合ノーヒットで巡り合わせも悪かった打撃について、試合前はそう話していた。故郷の少年からの声援も背に、打率は7厘上げて・292とした。 (後藤 茂樹)

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