日本ハム栗山監督、ディープ采配 強烈“差し脚”で逆転勝利 首位ソフトBに0.5差

[ 2019年8月1日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4-3楽天 ( 2019年7月31日    札幌D )

今年1月7日に社台スタリオンを訪問しディープインパクトと再会していた栗山監督(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムは31日、楽天戦に勝利し、首位のソフトバンクに0・5ゲーム差に接近。2点を追う7回に栗山英樹監督(58)の超積極采配もあり、4安打集中で3点を奪って逆転した。栗山監督がオフに対面を続けてきた伝説の名馬で、30日に急逝したディープインパクトのような「差し脚」で快勝。月間16勝(6敗)で反攻の7月とした。

 勝負どころを見極め一気に追い抜く。史上2頭目の無敗の3冠馬となった、ディープインパクトが得意とした展開。まさに「ディープ采配」で白星をもぎ取った栗山監督は言葉に手応えをにじませた。

 「ワンチャンスをみんなで何とかものにしようとする気持ちが出ていた。思いの足し算が結果につながれば、チームは前に進む」

 逆転劇の始まりは石井の珍しい適時打。2点を追う7回1死二塁で打球が右中間フェンスの隙間にダイレクトで挟まり、エンタイトル二塁打となった。1点差とし、続く宇佐見が同点の左前適時打。ここから栗山監督のタクトがさえ渡った。

 なお1死一塁で代打の切り札の田中賢を起用すると、ベテランは進塁打となる二ゴロ。2死二塁で清宮にも代打・谷口を送った。8回以降はベンチに残る野手が杉谷と捕手の石川亮だけとなる超積極采配。「自分で勝負を懸けてくれた」と意気に感じた谷口は、決勝の適時二塁打を左翼線に運んだ。

 自宅のある栗山町とディープインパクトが暮らしていた安平町の社台スタリオンステーションは車で約30分の距離。「こんな近くに世界で戦った最強馬がいる。何かを得たい」との思いが実を結び、16年1月に初対面が実現した。同ステーションの徳武英介氏からは「子馬を最初は自由に走らせて体力をつける」などの育成法を学び「野球に通じるところも多い」と感銘を受けていた。同年は試合をこなすたびにナインが成長し、ソフトバンクとの最大11・5ゲーム差を逆転して優勝。「ディープのおかげ。追い込みと重なる」と感謝していた。

 4年連続4回目の訪問だった今年1月も馬体をさすりながら「力をください。今年は勝つからね」と3年ぶりの優勝を約束。前日に悲報が届くとすぐに徳武氏にメールを送り、感謝の思いを伝えた。

 札幌ドームの監督室にはディープインパクトからもらった「たてがみ」が飾られている。後半戦は10勝3敗で、最大7ゲーム差あった首位ソフトバンクと7月27日以来の0・5差。空を飛ぶように駆けた伝説の名馬のように、最後は先頭でゴールを駆け抜ける。(山田 忠範)

続きを表示

この記事のフォト

2019年8月1日のニュース