虎党が選ぶ6月MVPは原口 大腸がんから復帰後初打席でサヨナラ打

[ 2019年7月2日 09:00 ]

阪神・原口
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 SNSとの連動企画「ファンが選ぶ月間MVP」の第4回は原口文仁捕手(27)が680票を集め、6月のMVPをつかんだ。大腸がんから復活し、交流戦開幕と同時に昇格。復帰後初打席で適時打を放つなど虎党のみならず全ての野球ファンの心を奮わせた。そんな原口は当企画の「年間大賞」の獲得に意欲を見せた。(取材・構成 遠藤 礼、巻木 周平)

 
 票数に表れたファンの思いを知った原口は感謝の気持ちと「年間大賞」への意欲を口にした。

 「6月から1軍に来て1カ月弱。なかなか毎日活躍できているわけじゃないですけど、ありがたいですね。励みになります。4、5月と毎月選んでるんですよね? 残りのシーズンも頑張って、年間大賞をもらえるように頑張ります!」

 大腸がんという大病からの球史に残る復活劇で全国の野球ファンに感動を与えた。その第一歩は交流戦開幕戦の6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)だった。昇格を果たし、「出番はあるのか」と期待するファンの前に登場したのは9回無死一塁の場面だ。次打者席に向かっただけでスタンドから大歓声が起きた。異様な雰囲気の中で打席に立ち、いきなり左翼フェンス直撃の適時二塁打。ドラマのような展開に涙するファンは少なくなかった。

 その週末には、さらなる歓喜を巻き起こした。同9日の甲子園での日本ハム戦だ。3―3の9回2死一、三塁で代打出場して見事に中前へ打ち返し、サヨナラ勝利を決めた。

 そして、上がった聖地でのお立ち台。「ただいまー!」と絶叫した後、闘病する人たちに向けて「僕の活躍がそういう力になるとすれば、僕も生きて野球をやれる意味があると思うので、さらに頑張っていきたい」と力強く誓った。最後は「3、2、1、必死のグッチ!」と決めセリフで締めくくった。スタンドには涙を見せるファンが大勢いた。

 そんな原口のMVP選出は当然と言えば当然か。『Blackimpact』さんは「あの感動の復帰に理由はいらない! 病に立ち向かう勇気と感動をありがとう!」と興奮気味に感謝。『掛布タイガース31』さんは「(ZOZO)マリンでの今シーズン初打席のツーべース。日本ハム戦でのサヨナラヒット。何度も映像を見て泣きました」。『あみ』さんも「復帰戦の時の歓声、拍手はすごく印象に残っています。そして、ヒットに感動しました!」とつづった。

 復帰後は15試合で30打数7安打の打率・233、0本塁打、4打点。「毎日活躍できているワケじゃない」と冷静に自己分析し、まだまだ上を見据えている。『いっちょん』さんも「心身ともにパワーアップした原口選手が、チームにパワーを連れてきてくれている気がします。後半戦が楽しみで、期待しています」とさらなる活躍を願った。秀でた勝負強さを誇る原口が本領を発揮すれば、チーム浮上の大きな力になるはずだ。

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2019年7月2日のニュース