菅野137球完投!12球団一番乗り エース初勝利で巨人6連勝

[ 2019年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―2DeNA ( 2019年4月5日    横浜 )

完投勝利を挙げた菅野は力強いガッツポーズを見せる(撮影・森沢裕)
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 絶対エースが意地の完投だ。巨人の菅野智之投手(29)が5日、DeNA戦に先発し、2失点で今季初勝利を12球団一番乗りとなる完投で飾った。初回にネフタリ・ソト内野手(30)、筒香嘉智外野手(27)に2者連続のソロを浴びたが、2回以降は無失点投球。137球を投げ抜いた。チームを6連勝に導き、自身は今季から背負うエースナンバーでの初白星ともなった。

 この日の最速152キロは3―2の9回だった。菅野は先頭・筒香の5球目で計測。内角高めに外れたが、続く6球目も152キロで内角を突き、ファウルだ。最後は外角低めの148キロワンシームで空振り三振を奪った。

 「あそこで先頭を出すようだったら情けないですし、ホームラン打たれていたのでより気合も入った」。最初の打席で一発を浴びた4番に対し、その後の3打席は封じ込んだ。エースの意地だ。

 初回は苦しんだ。2死からソト、筒香に2者連続本塁打を許す。この日は練習中から最大風速10メートル。風にも乗せられ、プロ入り後初の連弾を浴びて2点リードを追いつかれた。だが、エースには修正力があった。立ち直るきっかけは4回2死一塁。伊藤光を三ゴロに抑えたが、ラミレス監督がリクエストを要求した。「あの間で僕は良くなれた気がします。修正できた」。審判団が映像を検証している際に捕手・小林とフォームや状態を確認しながら、4、5球の投球練習を行い、改善につながった。

 昨年11月を「(想像以上に)キツかった」と振り返る。へんとうの摘出手術を行い、術後は想像以上に苦しいものだった。約2週間、病院で出される流動食のみ。お酒はもちろん、普通の食事ができない日々が続いた。除去したへんとうが瓶に漬けられた写真を原監督に送ると、「苦しみを越えたら良いことがあるよ」とメールで返信が届いた。

 激しく体を動かすことも禁じられ、体重は5キロ減。この苦しい日々が今につながった。野球を始めて以来初めての完全休養で慢性疲労が抜け、フレッシュな状態で12月からのハワイ自主トレに向かった。広島との開幕戦では7回1失点も大瀬良に投げ負け、その後チームは5連勝。前回敗れた「苦しみ」も乗り越え6連勝に導いた。

 137球を投げ、12球団で完投一番乗り。原監督は「代えるというのは選択肢になかった。スタミナに関しては絶対的。余力を残して強さを感じる」と称えた。8回から9回先頭の筒香まで4者連続三振とギアを上げた。

 「しんどかったですけど、最後の力を振り絞りました。やっと開幕したなという感じです」。今季掲げる20勝、3年連続の沢村賞への道が始まった。(岡村 幸治)

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