阪神　大山　ＯＰ戦１号弾「一発で仕留められたのは良かった」

オープン戦   阪神２―７ソフトバンク （ 2019年3月4日    ヤフオクＤ ）

初回２死二塁、大山は左中間に先制２ランを放つ（撮影・坂田　高浩）
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　阪神の大山が３日、ソフトバンク戦でオープン戦１号となる２ランを放った。今春実戦では４番で起用され続けながら結果を出せなかったが４番候補が、ようやく復調への兆しを見せた。

　大山らしい角度が戻った。初回２死二塁。初対戦の左腕・ミランダの４球目、真ん中低め１４５キロを逃さず打ち上げると、打球は長い滞空時間の末に左中間にあるホームランテラスへと飛び込んでいった。

　「ミスショットせず、一発で仕留められたのは良かったです」

　ナインの歓迎を受けると思わず笑顔がこぼれ出た。実戦１０試合、３４打席目にして生まれた、今季の初アーチ。試合前まで実戦２５打数４安打と波に乗り切れていなかったが、納得いく打席をやっと生み出すことができた。

　「結果が出ないときは、狙った真っすぐを打ち損じることが多い」。自身の打撃について常々、そう分析している大山。ここまでの実戦ではミスショットがしばしば見られたが、この日の一発は明るい兆しだ。その後の３打席は凡退で一気に右肩上がりとはいかなかったが、５回２死満塁での一ゴロは相手の好守に阻まれただけで、バットの芯では捉えていた。

　矢野監督も「その（本塁打）後の打席の内容も、今までの中で全体的に良かったような感じの打席が続いていた」と本領発揮の兆しを感じ取り「自分なりの課題を持ってやっていってくれたらいい」と上積みを期待した。オープン戦は白星なしの４連敗と不安が残る中、生え抜き４番として育てたい大山のバットから聞こえた快音は、紛れもなく明るい材料といえる。

　試合後、大山は表情を緩めることなく「一本だけじゃなく、その後の打席もしっかりやらないといけない」と反省を口にした。シーズンの厳しさは２年間で味わった。だからこそ、どれほどの手応えを持って開幕を迎えなければならないか、身に染みて分かっている。１カ月を切った準備期間の中で、ベストコンディションをつくってみせる。

（巻木　周平）

　○…４番・三塁で出場の大山（神）が初回に先制２ラン。今春実戦１０試合目で初本塁打となった。シーズン中の先発４番アーチは、１７年９月２日の中日戦（甲子園）３回小熊から打ったソロ１本のみで、練習試合を含めば１８年秋季キャンプの１１月１７日、韓国・ＬＧ戦（安芸）８回のソロ以来、対外試合３本目。大山は１７年９月１日の中日戦で球団新人では６４年富恵一以来５３年ぶりの先発４番デビュー。同年１２試合で８安打１本塁打５打点の打率・１７０。昨季もシーズン終盤９月２９日の中日戦から１２試合で１３安打５打点の打率・２７７だった。