“ミスタードラゴンズ”立浪氏 PL出身初の殿堂入り 再びユニホーム「必ずやりたい」

[ 2019年1月16日 05:30 ]

元PL学園高校監督の中村順司氏と握手する立浪和義氏(撮影・郡司 修)
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 今年の野球殿堂入りが15日、都内の野球殿堂博物館で発表された。競技者表彰のプレーヤー表彰は中日で活躍し、歴代最多の487二塁打を記録した立浪和義氏(49)。PL学園出身者で初の殿堂入りとなった。同エキスパート表彰は中日で入団から2年連続最多勝を獲得し、横浜監督として日本一になった権藤博氏(80)。特別表彰ではプロ、アマ交流に尽力した元日本高校野球連盟会長の脇村春夫氏(87)が選ばれた。

 高校野球では甲子園春夏連覇のPL学園主将。プロでは中日一筋22年間のミスタードラゴンズ。スター街道を歩んだ立浪氏は候補に入って5年目での選出を受け、感謝した。

 「たくさんの素晴らしい指導者に恵まれたおかげで、この場所に立たせていただいている」。お祝いのスピーチに駆けつけたPL学園の中村順司元監督の後ろには、中日入団時の監督で昨年死去した星野仙一氏がほほ笑むレリーフがあった。

 88年、星野監督が宇野を二塁へコンバートして空けた遊撃の開幕スタメンに高卒新人で抜てきされ、新人王、ゴールデングラブ賞に輝いた。「自分がどうのこうのというより、星野さんがよく使ってくれた」。プロ人生を順調に滑り出し、1メートル73の体で歴代8位の通算2480安打を記録。「大きな人に負けたくない気持ちでやってきた」と回想した。

 487二塁打はプロ野球記録。「調子をはかるバロメーター。中距離ヒッターだったし、強い当たりで、外野の間を抜けていたから」と胸を張る。「初めてのヒットも二塁打で、引退試合もツーベースで終わった。一生懸命やってきたご褒美かな」と自らを称えた。

 桑田真澄氏、清原和博氏ら名選手を数多く輩出してきたPL学園出身では、意外にも初の殿堂入りとなった。プロで活躍できる礎となった母校の野球部は16年夏を最後に活動を休止。「OBとして復活を願っている」と切なる思いも口にした。

 一番の思い出は巨人と同率首位で並び、最終戦で対戦した94年の「10・8」。「日本国民があれだけ注目する中でできたことは財産」と話した。経験を指導者として生かす場には恵まれず、現役引退後にコーチを務めたのは13年WBCしかない。再びユニホームを着ることが目標で「諦めず、必ずやりたい」と宣言。中日の監督就任を望む声も聞こえ「期待されている以上、期待に応えたい」と語った。 (徳原 麗奈)

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2019年1月16日のニュース