イチロー 今年はキッパリ否定「僕が日本でやることはないと思う」

[ 2018年12月24日 05:30 ]

閉会式に出席し、子供たちと話すイチロー(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 マリナーズのイチロー外野手(45)が23日、故郷の愛知県豊山町で行われた「第23回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席。子供から出た質問に、将来的に日本でプレーする可能性を否定する答えを返した。恒例のあいさつでは現役のままフロント入りし、試合に出られない状態で練習し続けた今季を振り返り、自分の可能性を信じ続ける大切さを語った。

 イチローの笑顔がまぶしい。開口一番、子供たちを前に甲高い声を響かせた。

 「こんにちは。うれしいですね。シアトル・マリナーズのイチローです。去年のこの時期はシアトル・マリナーズとは言えなかった。僕はそういう意味でもうれしいです」

 恒例の大会長あいさつ。昨年は所属先未定の自身を「“ペットショップで売れ残った大きな犬”みたいな状態」と表現したが、今年は違う。すでにジェリー・ディポトGMは来年3月の東京ドームでの開幕戦(20、21日、対アスレチックス)で選手登録する意向を示し、契約発表が近い。

 注目発言は、質問コーナーで出た。子供から「高校卒業後にプロに行くので、対戦したい。日本でプレーしてくれますか?」と直球質問。これにイチローは「僕が日本でやることはないと思う。アメリカに来てやろうか。大リーグで。どうですか?」と答えた。

 昨冬は同じ質問に「ゼロじゃない限りは可能性はあるけど…ややこしいなあ」と返しており、違いが表れた。続けた言葉は自身の背番号と同じ51歳でも現役でプレーする意欲。子供が12歳だと聞き「(プロ入りは)最短で18(歳)だから、6年たつと51。51までできたらいいけどね。頑張るわ」と笑った。

 あいさつは熱を帯びた。「自分ができると思ったことは必ずできるとは限らない。だけど、自分ができないと思ってしまったらそれは絶対にできないことを覚えておいてほしい」。今季は5月に現役のままマ軍会長付特別補佐に就任。それでも復帰を目指し、変わらぬ練習を続けた。「自分一人で頑張らなきゃいけないのは力がいる。だから、常に自分に自分はどうなんだということを問う。そんな人間であってほしい」。可能性を信じ、自らに勝つ。それはイチロー自身が今季の苦悩から学んだことでもあった。 (柳原 直之)

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月24日のニュース