日本ハム石川直 独占インタビュー「相手が諦めるような投手になりたい」

[ 2018年12月24日 05:41 ]

高卒4年目の今季は52試合に登板した石川直
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 高卒4年目の2018年に大きく飛躍した投手がいる。日本ハムの石川直也投手(22)だ。今季はオリックスにFA移籍した増井浩俊投手(34)の代役として抑えも経験。不振で配置転換される時期もあったが、52試合で1勝2敗19セーブ、防御率2・59の成績を残した。目標は絶対的な守護神――。年の瀬に熱い胸の内を明かした。 (構成=山田忠範)

 ――まずは今季を振り返って。

 「50試合以上に登板できたので、いいシーズンだったと思うけど、せっかく開幕から任せてもらえた抑えのポジションを一年間、全うできなかった。不振もあったけど、やっぱり故障が一番良くない。コンディションの維持が本当に大事だと分かった一年でした」

 ――昨年まで抑えだった増井がオリックスにFA移籍、セットアッパーだったマーティンの退団、抑えの筆頭候補だった鍵谷の故障もあって、開幕直前に抑えに抜てきされた。言われた時の心境は?

 「言われた時はビックリしたけど“やってやろう”と思った。実績も何もないから“失うものもない”と開き直ってマウンドに行こうと思ってました」

 ――開幕2試合目の西武戦だった今季初登板は、1点ビハインドながら9回に登板し4失点。ベンチでは目に涙を浮かべた(※1)。

 「あの時は打線が3点ビハインドから8回に1点差まで追い上げた直後だったので、チームも球場全体も今季初勝利に向けて一丸となっていた。それもあって、自分の中で気負ってしまった部分が多くあって力んでしまった。とにかく試合を壊してしまったことが悔しくて下を向いていたら、吉井コーチや宮西さんから“まだ終わってない。上を向け”と言われて…。振り返ってみても、凄く良い経験ができました」

 ――その後は不振で4月下旬に中継ぎに配置転換されたり、7月下旬には右内転筋の肉離れで離脱した時期もあったが、シーズン終盤に守護神に復帰。やりがいを感じたか?

 「試合の最後を締めるのは楽しいし、気持ちいい。でも、今年は本当に一年間、コンディションや調子を維持することの難しさを感じた。故障で離脱してしまった時期は夏場で、6連戦が多くなるところだったし、チームに申し訳ないと思ったし、自分としても悔しかったです」

 ――CSでは初セーブも挙げた(※2)。

 「シーズンの後半は状況を考えながら冷静に投げられた部分もあったし、精神的にも強くなれたと思う。だからCSも重圧はあったけど、シーズンと変わらない感じで投げることができた。意識していたのは“とにかく勝ったまま試合を締める”ということ。何点取られても、勝って終わることを考えました」

 ――今月上旬の契約更改では2100万円増の3400万円でサイン。何か自分にご褒美は?

 「あまり自分は物欲がないので…。でも、超音波や電気の治療器はそろえたい。遠征にも持って行けるようなやつです。来季のテーマの一つは“調子が悪い時でも、どうやって抑えるか”だと思うし、それをするためには最低限、コンディションの維持が大事になってくると思うので」

 ――リフレッシュ方法や休日の過ごし方は?

 「う〜ん、あまり趣味はないですけど、ゲームはやってますね。パワプロは(千葉・鎌ケ谷の)寮や(札幌市内の)合宿所でもやったりします。玉井さんが弱いです。だから、ほとんど玉井さんとやってます(笑い)」

 ――改めて来季の目標を。

 「抑えとしてタイトルも獲りたいし、40セーブを目指したい。将来的には、自分が(9回に)出てきたら相手チームが諦めるような投手になりたいです」

 ※1 開幕戦を落として一夜明けた3月31日の西武第2戦で、2―3ながら追い上げムードの9回に今季初登板も秋山に適時打を許し、山川にはダメ押しの3ランを浴びた。

 ※2 10月14日のCSファーストS第2戦で2点リードの9回に登板し、ソフトバンクのデスパイネ、グラシアルを連続三振に斬るなど簡単に3者凡退。最速155キロを記録するなど剛速球を連発して強力打線を圧倒した。

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