本人決断は果たして?エ軍ソーシア監督明言 大谷は「来年は投げない」

[ 2018年9月15日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2―8マリナーズ ( 2018年9月13日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>初回、ソーシア監督(右)が見守る中、ネクストバッターズサークルへ向かう大谷(撮影・会津 智海)
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 右肘に新たな損傷が発覚し、じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を勧告されているエンゼルスの大谷翔平投手(24)について、マイク・ソーシア監督(59)が13日(日本時間14日)のマリナーズ戦前に「来年は投げない」と発言。投手復帰に1年以上かかる手術を受けるかの決断は大谷に任されているが、結論が出ていない中で、二刀流復活は20年になるとの見方を示した。

 マリナーズ戦前のダッグアウト。日米報道陣を前に、ソーシア監督は「2020年」という数字を口にした。大谷の1年目を振り返る質問が出た時だ。

 「投手としての出場機会が少なくなってしまった。23〜24試合くらいの先発をする可能性があった。2020年が楽しみだ」。加えて、来季以降の二刀流起用法について「彼は来年投げない」と言及した。

 大谷は10日にビリー・エプラーGMと今後の治療方針を協議し「(結論は)近いうちではないか」と話していたが、現時点で結論に至っていない。5日に受けたMRI(磁気共鳴画像装置)検査で新たな損傷が発覚した時点で、球団は手術を勧めている。手術の有無にかかわらず来季投げないのかとの質問には「医療スタッフと話した内容にまで踏み込まないが、ショウヘイが医師らと話し合いながら将来にベストな選択をする」と話すにとどめた。

 ソーシア監督は今季限りでの退任が濃厚だが、19年間指揮を執り、02年には世界一を達成した功労者。来季以降も何らかの形で球団に残る可能性が高い。これらの言葉は手術を勧告した球団方針に沿った私見と考えるのが自然で、大谷の決断を前に「20年に二刀流復帰」の青写真が先行する形となった。

 20年については、具体的な数字にも踏み込んだ。「23〜24試合先発できるかもしれないし、打者としても300〜350打席の出場は可能だろう」。今季は現時点で10試合に先発して4勝、308打席に立ち19本塁打。メジャーでは1918年ベーブ・ルース以来の10勝&10本塁打も十分に期待できる。「将来的には24試合に先発して、そのうちチームを19試合勝たせるような影響力のある選手」と絶対的なエースへの成長も待望した。

 この日、大谷は4打数1安打。過去6打数4安打の右腕リークには3打数無安打に抑えられたが、第4打席で右腕ブラッドフォードから中堅への二塁打。今季20本目の二塁打をマークした。敗れたチームはプレーオフ進出の可能性が消滅。今後は大谷の最終決断とともに、今季終了まで打者出場を希望している残り15試合のプレーに注目は集まっていく。 (大林 幹雄)

 ▽トミー・ジョン手術からの復帰 一般的に投手復帰するためには、術後12〜18カ月を要するとされる。野手の場合は6〜8カ月という例が多いが、DHの大谷ならば、送球プログラムのリハビリが省かれる。同手術を数多く手がけた医師によると「4カ月半〜半年の間に本格復帰できる」との見解も示されている。

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