清宮 王超え24打席目プロ1号 王さん太鼓判「何か持ってる」

[ 2018年5月10日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム8―2オリックス ( 2018年5月9日    京セラD )

<オ・日>2回、右越えソロを放つ清宮
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 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18=早実)が9日のオリックス戦で待望のプロ1号を放った。2回先頭で迎えた第1打席でディクソンから右翼席へ運んだ。7試合、24打席目で飛び出した初アーチでプロ初打点となった。ドラフト制後ではデビューからの出場毎試合安打を「7」に伸ばす新記録を、本塁打で決めた。これぞ世界の本塁打王への第一歩だ。

 右手でバットを軽く投げた。ゆっくりと一塁に向け走りだした。18歳の高卒新人とは思えない。打球は京セラドームの右翼3階席に達した。7試合目、24打席目で待望のプロ初本塁打。清宮は三塁ベンチに戻り、ようやく笑顔がはじけた。

 「本当に良い日に1軍にいられた。多くの見習う先輩がいるので早く追いつけるようにしたいです」

 敵地ファンも見守ったお立ち台。この日、ソフトバンクの内川が通算2000安打、同僚の中田が1000安打を達成したことを振られて言った。「忘れられない一日になると思います」。オリックスファンから届けられた記念球は「親に渡します」とはにかんだ。

 貴重な先制ソロともなった記念弾。2回、先頭でディクソンの初球、131キロの高めカットボールを強振した。初対戦の相手にも、データと映像を照らし合わせ研究。配球の読みについては「勘です」とけむに巻いたが「いろいろと打席を重ねてきたので、まぐれではないと思います」と胸を張った。デビュー戦からの出場連続試合安打を「7」に伸ばし、ドラフト制後の新人では新記録。そしてプロ初打点を本塁打でマークしたのは、いかにも清宮らしい。

 高校通算111本塁打を放ち、ドラフトで7球団が競合。だが、3月に腹膜炎で入院するなど調整が遅れた。それでも将来のメジャー挑戦、早実の大先輩である王貞治(現ソフトバンク球団会長)の通算868本塁打を目標とする18歳は全てを糧とした。中学時代から筋力や体重を長期的な計画で増やし、3年後の21歳でメジャーの長距離砲の平均レベル、5年後はメジャートップクラスの筋力レベルを目指す。王は初アーチが11試合、27打席目だったが、先輩を超えた。「残り867本」と問われ「一日一日しっかりとやるだけ」と言った。全ては世界一の本塁打王への通過点と捉える。

 栗山監督も壮大な青写真を描く。20年の東京五輪で侍ジャパンの打線の中軸を担う清宮の姿だ。代表の稲葉篤紀監督には「東京五輪までに(清宮を)何とかする」と約束している。だから「一本のホームランでどうのこうのじゃない」とそっけなかった。

 「チームの勝ちが一番うれしい。チャンスで打ててないので、しっかり整理したい」。大阪の地で「清宮伝説」が幕を開けた。(山田 忠範)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長 見事な大きいホームランだった。距離も十分。これから打つんじゃないかな。力がないと連続安打とか本塁打とか打てない。あと何か持ってるところもある。プロでの活躍を期待したいね。

 《81年原辰徳超え》ルーキーで5番の清宮(日)が初出場から7戦連続安打となる1号先制弾。デビューから出場7試合連続安打は62年青野(東映=8試合)以来。ドラフト制以降(66年以降)では81年原(巨)、01年佐藤友(西)、16年吉田正(オ)の6試合を抜く新人最多記録になった。

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