韮山 バックネット裏の記念碑「奇跡ふたたび」 現役部員「パワーをもらっている」

[ 2018年5月2日 06:00 ]

韮山グラウンドにある「甲子園の詩」の記念碑
Photo By スポニチ

 作詞家の故阿久悠氏は1979〜2006年にスポニチ紙上で、夏の甲子園大会を題材とした「甲子園の詩」を連載した。作品の中には、甲子園出場校に石碑などとして残されているものがある。全国の「甲子園の詩」をたずねた。

 韮山(静岡)グラウンドのバックネット裏には「奇跡ふたたび」という詩が刻まれた記念碑がある。50年春に甲子園初出場Vを達成し、夏の初出場となった95年1回戦で田辺(和歌山)を12―2で破ったときに阿久悠氏が書いた詩だ。



なぜか 韮山の野球は

タイムマシーンそのままで

空白の時も何のその

またまた同じ奇跡を

起(おこ)しそうな気がする

しかも さりげなく さわやかに



 大会前にナインが石碑を磨く伝統の儀式もある。現在のチームの佐藤主将は「甲子園で活躍した方々の歴史を確認し、自覚をするための作業。碑にパワーをもらっている。自分たちにもできると勇気を与えてくれる」と話す。95年以来、甲子園出場はない。佐藤は「詩の中に“タイムマシーン”という言葉がある。時代が変わって野球部の環境は変わっても、野球に取り組む姿勢や心は当時の方々と変わらない。目標は甲子園で日本一」と力を込めた。

 武井淳監督は92年度卒OB。95年夏は甲子園のアルプス席で応援した。「僕らの代のときも力はあった。応援しているときはうれしさと(自分たちが行けなかった)悔しさと複雑な思いだった」と振り返る。昨秋から母校で監督に就任。県内屈指の進学校で選手の自主性を重視した指導で聖地を目指す。「95年は創部99周年で100周年を前に甲子園に行った。100回大会の今年も何かあるかな」と笑顔で言った。

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2018年5月2日のニュース