巨人・長野、69戦目で今季初決勝打!打率1割台から“V字回復”

[ 2017年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―3ヤクルト ( 2017年6月27日    荘銀日新スタ )

7回2死、長野が右翼に勝ち越しソロを放つ
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 巨人が27日、長野久義外野手(32)の一発でヤクルトとの接戦を制した。山形での一戦で、3―3の7回に3号ソロ。今季69試合目で初の決勝打となった。3安打は今季4度目で、うち3度が6月と上り調子。チームは昨季から続いた東北での連敗を7で止め、地方球場では今季3戦3勝とした。

 両腕を高く上げてスタンドに振った。腕の角度は「V」の字を描く。今季初の「V打」。長野は「山形県サイコー」と声を上げてインタビューを締めた。

 「思い切って打とうと思って打席に立った。風が吹いていたので、上がったら入ると思った」。山形県中山町にある地方球場。周りを山に囲まれた盆地に位置する。近くを最上川が流れていて、涼しい川の近辺と、球場内では気温差が生まれる。球場関係者が「風が吹きやすい」と話す特性も、読んでいた。

 3―3の7回2死。石山が外角寄りに投じた147キロ直球を強振した。芯で捉え右翼席に運ぶ。6月2日オリックス戦以来となる、3号ソロ。チーム69戦目で、今季初の勝利打点だ。「いや風が吹いていたので。風です」とおどけたが、当たり自体も完璧だった。

 開幕から低迷。江藤打撃コーチが「影響があったと思う」と話したのが、14年11月に手術した右膝の状態だった。春季キャンプから万全ではなく、かばうあまり軸足に体重を乗せきらない打撃フォームが身に付いた。本来の姿とはかけ離れ、これまで捉えてきた外角球をことごとくファウルにする要因になった。

 5月17日時点で・189だった打率は、1カ月で・279に1割近くもV字回復。同コーチは復活の理由を「下半身を使って、しっかりボールに入っていけている」と評した。3、5回にも安打を連ね、6月の月間打率はリーグ2位の・377。高橋監督は「このまま上がってほしい。上がってこないと困る選手」と期待した。

 日差しの強い昼間は汗ばんだが、試合中は19度と肌寒い東北の気候。長袖のアンダーシャツを着て挑むほど冷えたが、右足の状態を気にせずに3安打したのは完全復活の証だ。「まだまだ最初の方に打っていない分があるので、取り返さないといけない」。今季、地方球場では3戦全勝。今後も6試合が控え、浮上を見据えれば頼もしい傾向だ。「福島でもいい試合をしたい」と長野は言い切り、次戦の舞台にバスで向かった。 (神田 佑)

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