松井氏 清宮にゴジラ流エール「かなりの能力。どんな道でも頑張って」

[ 2017年6月26日 05:30 ]

松井氏は野球教室の参加者たちが見守る前でホームランを披露しバンザイ!
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 巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(43=ヤ軍GM特別アドバイザー)が25日、川崎市のジャイアンツ球場で「松井NPOファウンデーション」の野球教室を開催した。高校通算103本塁打を誇る早実・清宮幸太郎内野手(18)にもエール。甲子園で5打席連続敬遠を経験した自身と同じように、注目を浴びる高校生スラッガーの未来に太鼓判を押した。

 松井氏には、清宮の置かれた状況が手に取るように分かった。ニューヨーク在住のため「残念ながら(打撃は)見たことはない」と前置きしたが、「報道を見る限り(本塁打を)100本以上打っている。かなりの能力があると容易に想像できる」とうなずいた。

 松井NPOファウンデーションは「より多くの子供たちに野球の楽しさを伝え、野球を好きになってもらう」ため、15年4月に立ち上げたNPO法人だ。日本で「松井NPO野球教室」を開催するのは今回で3度目。野球の魅力を知り、いつか自身のようなスラッガーが誕生してほしい。そんな願いを清宮が体現しようとしている。

 「注目されて大変でしょうけど、どんな道でも頑張ってほしい」。自身も星稜時代から大きな注目と期待を背負った。3年夏の甲子園では5打席連続敬遠を経験し、社会問題にまで発展。松井氏と清宮の2人に接点はないが、同じような境遇を歩んでいる。プロ入りか、大学進学か。進路を決めていない18歳に、選んだ道で全力を尽くすように励ました。

 今回は小学生と保護者を対象にした初の「親子教室」。全国から参加した49組と触れ合い、雨のため室内で行われた打撃練習では投手役を務めた。雨が上がった後はグラウンドでフリー打撃を行い、2発の柵越えも披露。現役引退して5年がたっても衰えないパワーを見せつけ、参加者の感嘆を浴びた。

 「皆さんに喜んでいただければ、それが喜び」と松井氏。東京五輪の野球日本代表監督など、ユニホーム姿で日本球界復帰を望む声は多い。だが、今後のビジョンについては「ない。白紙です」ときっぱり。当面はヤンキースでの職務とNPO法人での野球伝道に集中しながら、清宮らの成長を見守るつもりだ。 (君島 圭介)

 ≪松井氏と野球教室≫

 ☆14年10月11日 米ニューヨークで日本人30人を集めて開催。野球から離れた生活について「のんびりでいい」。

 ☆15年3月21日 ヤンキース時代の同僚デレク・ジーター氏と東京ドームで東日本大震災の被災者支援イベントを開催。「子供たち、ジーターが素晴らしい日を過ごせたなら、それが一番幸せ」

 ☆同11月3日 米ロサンゼルスで少年少女27人を指導。巨人・高橋新監督が迎える翌年の春季キャンプについて「かばん持ち以外だったら、やりますよ」と参加表明。

 ☆同12月27日 13年ぶりに訪れたジャイアンツ球場で小学生47人と交流。

 ☆16年10月16日 出身地の石川県で小学生38人と交流し、日本ハム・大谷を「誰も歩いたことのない道を歩いている。凄いこと」と絶賛。

 ☆同10月30日 米ニューヨークで少年23人を指導。広島・黒田の引退に「素晴らしいキャリア。寂しさはあるけど仕方ない」とねぎらった。

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