阪神ドラ1大山 金本監督の訓示守ります「ほどよく遊べ」

[ 2017年1月9日 06:00 ]

赤のバットで素振りする大山
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 阪神の新人合同自主トレが8日、甲子園球場室内でスタートした。ドラフト1位の大山悠輔内野手(22=白鴎大)は金本知憲監督(48)から「ほどよく遊べ」と訓示を受けた。「良い意味でリラックスして野球に臨みたい」と公私とも“遊び”を取り入れる考えを示した。野球漬けの日々に1つの余裕を挟むことで、1年目からの活躍につなげる。

 激しい雨音が響く甲子園室内。降雨のため、鳴尾浜から変更となった自主トレの場で、新人8選手に対して金本監督から「ほどよく遊べ」と訓示が送られた。大山は、活躍するための近道として、こう捉えた。

 「野球が一番に変わりはないですけど、張り切りすぎないように。遊べというより、休めという意味だと思う。野球のことを考えながらオンオフの切り替えをしていきたい。関西は初めてですし、休日に何をすればいいかもまだわからない。先輩に聞いたりして、良い意味でリラックスして野球に臨みたい」

 野球漬けの日々を送るだけに頭でっかちではいけない。好例が藤浪で、入団後から趣味として始めた釣りを休日やオフシーズンに行ってきた。マスコミやファンなど他球団とは比にならない重圧と注目を浴びながらも、多忙な合間を縫ってリフレッシュしたことで高卒1年目から3年連続2桁勝利。長期離脱もなく4年間、先発ローテーションを守り続けてきた。

 同じドラフト1位の大山も同等のプレッシャーと戦う。これまでは音楽鑑賞や睡眠で気分転換してきたが「自分の息抜きをしっかり見つけていきたい」と新たな趣味やリラックス法を模索し、野球につなげる考えだ。

 金本監督は「遊べ」の意図を端的に明かす。「一生懸命やっていくようにということを一番に伝えて、余裕を持って“たまには遊べよ”ということ。僕もそこそこね。おいしいものを食べに行ったり、多少の羽目を外すことはあった。そういう余裕は持ってもいいよということ」。球界の大先輩でもある指揮官の経験談を、正しく解釈した。

 合同自主トレでは思わぬ“ミス”もあった。キャッチボールの送球がスッポ抜けて天井に直撃。「練習ではリリースの時だけ力を100%と意識している。受け手がいるので良い送球ができるように」。より良い球を放るためテークバックで脱力し、リリースに全ての力を集中させる。高校3年時から取り入れている方法。もちろん、試合では起こり得ないミスだが、大勢から注目される場でも変わらず実行した。

 「プロになれたという楽しみもありますが、結果(を残さないといけない重圧)に対しての不安もある。その不安を消すために、1日1日、練習していきます」

 “遊び”を取り入れ、大砲への道を突き進む。(巻木 周平)

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2017年1月9日のニュース