内海 腫瘍摘出手術から13日「前例ない回復」で6時間ハードトレ

[ 2017年1月9日 05:30 ]

沖縄・那覇での自主トレで、力強く重りを引っ張る巨人・内海
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 巨人の内海哲也投手(34)が8日、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で自主トレを公開した。昨年12月26日に縦隔(じゅうかく)腫瘍を胸腔(きょうくう)鏡によって摘出する手術を受けたばかりだが、約6時間にわたるハードなトレーニングを敢行。勝負の年と位置づける14年目のシーズンへ、「執念」で準備を進める。

 手術からわずか13日――。内海は自らの「鉄人」ぶりに驚きながらも、晴れやかな表情で回復を宣言した。

 「もうバッチリです。すっきりしましたね。例年通りの練習ができているし、昨年よりも状態がいいんですよ」

 昨季終了後の人間ドックで、両肺の間の縦隔に腫瘍が見つかった。専門医による再検査で摘出手術が決まり「頭が真っ白になった。不安だし怖かった。キャンプやシーズンは大丈夫なのかと(医師に)聞きました」。12月25日、クリスマスの夜に入院。4人の子供たちには「遠征に行ってくる」とだけ話し、手術のことは包み隠した。

 予定より1日早い29日に退院。術前は約1週間かかると言われた、ジョギングやキャッチボールをその日のうちに再開した。幸いにも利き腕とは逆側の右脇腹から内視鏡を入れることができたため「投げることに問題がなかった」という。沖縄入り前の診察では医師から「前例のない回復力」と太鼓判を押されたほど。この日も約40メートルのダッシュや約60メートルの重り引き、約50メートルの距離でのキャッチボールにノック、体幹トレ、さらにはフットサルと、同行する山口鉄や大竹寛と全く同じメニューをこなした。

 昨季は9勝。3年続けて2桁に届かなかった。完全復活に懸ける思いが不測の事態を乗り越える原動力だ。「執念ですね。今季は絶対にやるぞという思いが強いし、こんなことでつまずいていられない」。チームはDeNAからフリーエージェントの山口俊を獲得。競争激化が必至な中で「先発の枠を獲っていきたい。2桁勝利を目標にしてやらなければいけない」と言葉に力を込めた。

 今季から復帰した小谷巡回投手コーチは、若き日に指導を仰いだ恩師。「あの人がいなければ今の自分はいない。早く投球を見てもらいたい」と再び教えを請うつもりだ。「昨年で悪いものは全部取った。一からやる覚悟。(高橋)由伸監督を胴上げしたい」。チームの王座奪回の力になるつもりだ。(重光 晋太郎)

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2017年1月9日のニュース