阪神・高山 後輩へお年玉 中学時代所属チームに防球ネット寄贈

[ 2016年12月30日 05:30 ]

阪神の高山
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 阪神の高山俊外野手(23)が、中学時代に所属した千葉県船橋市の「船橋中央リトルシニア」に移動式防球ネットを寄贈したことが29日、分かった。総額100万円相当で、恩返しと同時に後輩へのちょっぴり早い「お年玉」となった。年明けには同シニアのグラウンドを訪れ、原点の地から2年目をスタートさせる。

 活躍する姿を見せるのが最大の恩返しになることは間違いない。ただ、プロ野球選手として“還元”できることがあるのも事実。セ・リーグ新人王に輝き、2日の契約更改交渉で来季年俸4000万円(推定)で更改した高山が、プロ野球選手の礎を築いた「船橋中央リトルシニア」に、粋な行動で感謝の気持ちを表現した。

 「恩返しすべき場所だと常に考えているし、お世話になった環境に少しでもそういう気持ちを示すことができればいい。(後輩に)さらに良い環境にしてあげられればという気持ちもあるので」

 かねてから故郷や母校への恩返しを声に出してきており、実行したオフとなった。シーズン終了後、中学時代に指導を受けた船橋中央リトルシニアの掛川勉ゼネラルマネジャー(GM)を訪れ、プロ1年目の終了を報告。同時に、移動式防球ネット20台を寄贈することも伝えていた。値段はグレードごとに差はあるが、関係者によれば1台5万円はすると言い、単純計算で100万円。「価格的に言っても、安いものではないですからね。大変ありがたいですし、子どもたちも喜んでいます」(掛川GM)。第2、第3の高山俊になる可能性を秘めた後輩には、先輩としての“男気”を示した。

 もちろん、高山にとって今回の「恩返し」は、ほんの一部に過ぎない。昨年12月下旬に同シニアの卒団式にゲスト参加した際、チーム関係者から「高山ベースボールパーク」ともいえる専用野球場をつくることをリクエストされた。掛川GMが「開幕前に『新人王ぐらい狙ってくれよな』と約束していたことを、ちゃんと達成してくれた。交流戦あたりは体力的に相当、厳しかったみたいですけど、何とか盛り返してくれた」と目を細めたように、高山は有言実行する男。来季以降も、よりスケールの大きい恩返しが、モチベーションとなるはずだ。

 「オフだからこそ、お世話になった人たちにあいさつや報告もできる。こういう活動を大切にしていきたい」

 言い尽くすことができない感謝の気持ちが自然と体を動かす。原点ともいえるグラウンドで、2年目のジンクス打破に向けたスタートを切る。 (久林 幸平)

 ▽プロ野球選手の主な恩返し

 ★新庄剛志(日本ハム)05年、母校の西日本短大付(福岡)へマイクロバス1台を寄贈。前年04年夏の甲子園出場のお祝いで、デザインも手掛けた。

 ★中田翔(日本ハム)07年ドラフト指名の契約金で母校の大阪桐蔭に約500万円の最新鋭ピッチングマシンを寄贈。

 ★金子千尋(オリックス)09年オフ、母校・長野市立朝陽小の校庭に芝生敷設のため約110万円を寄付。12年には長野市で自身の名を冠した軟式野球大会を創設。

 ★伊藤隼太(阪神)プロ入り直後の12年2月、母校の慶大に300万円相当の用具運搬車を寄贈。

 ★藤浪晋太郎(阪神)13年7月、母校・大阪桐蔭の専用グラウンドのベンチに4人掛けシート12脚を設置。

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