【キヨシスタイル】真の侍4番へ 中田色は髪よりプレーで示せ

[ 2016年11月29日 08:30 ]

パ・リーグベストナイン賞の表彰で登壇する日本ハム・中田
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 髪の毛よりプレーで自分の色を出してくれよ。日本ハムの中田翔が札幌市内で行われたトークイベントに金髪で登場し、来年3月のWBCにどんな髪の色で臨むかって聞かれて「好きなようにやる。もしかしたらピンクになるかもしれないし、赤、紫、黒になるかも」と話したらしい。

 ネタがれのシーズンオフ。新聞記者へのリップサービスだったのかもしれないが、分からない。ピンクってのはジョークにしても金髪にしてるのは事実。本人はかっこいいと思ってやってるんだろうけど、金色に染める必要性はどこにあるの?そんな姿で侍ジャパンのユニホームは着てほしくないね。

 日本ハムの主砲というだけじゃない。先に行われたメキシコ、オランダ相手の強化試合では全4試合、侍ジャパンの4番に座った。小久保監督は本番でもそのつもりなんだと思う。日の丸を背負う選手の、しかも打線の核となる選手が金髪…。考えが古いって言われるかもしれないけど、抵抗があるのは私だけじゃないと思う。

 23歳で選ばれた前回2013年のWBCでは監督の山本浩二さんに「合宿にあんな姿で来たら一喝せなあかん」と言われて金髪を黒髪に戻したという。前回は将来に向けて経験させておきたいという意味合いでの選考。今回は中心選手として選ばれたから、好きにしていいってことなのか。もし、そう思ってるとしたら大間違いだ。

 中田は決して嫌いな選手じゃない。思い切りのいいスイング。後ろを振り向かない姿勢。3年連続100打点を挙げた勝負強さ。期待に応えてくれそうな空気感。髪の毛の色じゃなく、グラウンドでオリジナルのカラーを出せる選手なんだ。

 技術だけでなく立ち居振る舞いも求められる侍の4番打者。現時点ではDeNAの筒香嘉智の方がふさわしいと思っている。でも、小久保監督が強化試合で指名したのは中田。それだけ期待されてるんだから365日、1日24時間「侍ジャパンの4番」としての自覚を持ってほしい。

 そうすれば、おのずと髪の色も決まってくる。外見じゃなくプレーで中田色を出し、結果で引っ張る真の侍4番になってもらいたい。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2016年11月29日のニュース