藤浪「バックフット」で左打者封じ マエケン&ダルも決め球に

[ 2016年11月15日 05:50 ]

12日のオランダ戦で5回から登板の藤浪

 阪神・藤浪晋太郎投手(22)が14日、“侍土産”を携えて帰阪した。ジャパンの一員として合宿と強化試合に参加した10日間の日程を終了。12日のオランダとの強化試合(東京ドーム)では左打者の後ろ足(左足)を目がけてスライダーやカットボールを投げ込む通称「バックフット」に新たな宝刀としての手応えをつかんだ。一流ぞろいのチームメートからも多くのことを吸収し、さらなる進化へ期待が高まる。

 手ぶらでは帰ってこない。各球団のスター選手が集い、日ごろはできない海外勢との対戦を経験できる侍ジャパンの場。1試合だけの登板だった藤浪は、しっかりと手土産をゲットしていた。メジャーリーグで「バックフット」と呼ばれる左打者の軸足(左足)を狙って投げる変化球だ。オランダ代表唯一のバリバリのメジャーリーガーだったジュリクソン・プロファーを三振に仕留めた1球が、まさにそのボールだった。

 「インローのカットボールですね。(従来よりも)より厳しく投げようとしましたし、振ってくれればと思っていたので良かったです。ワンバウンドするぐらい、ちょっと極端にやらないと拾われるケースもあるので」

 メジャーでも将来を嘱望される大物との対戦は、自身3イニング目となった7回先頭。スイッチヒッターのプロファーが左打席に入り、カウント2―2からの5球目を左足目がけて投げ込んだ。膝元から曲がり落ちたカットボールにバットが空を斬り、狙い通りの三振。見逃せばボールだが、曲がり始めるのが遅いために、打者は思わずバットを出してしまう。リーチが長く、パワーのある外国人打者には非常に有効で、ドジャースの前田やレンジャーズ・ダルビッシュも決め球として使っている。

 5回から2番手で登板した12日の試合は、最初は速球の連投でサムスに左中間への特大2ランを浴びた。ただ、変化球を使い始めてからは強力打線を手玉。「あのホームランだけという感じだったし、いろんな球種を使いながらという配球は勉強になった。持っている球種の中でどれを勝負球にできるかを考えながらやりたい」と手応え十分だった。

 今回の登板内容で、選出される可能性が高まった来春のワールド・ベースボール・クラシックでも「バックフット」が有効になるのは確実。国内のペナントレースでも特に左の大砲タイプには大きな武器になる。12月にはダルビッシュらとの合同自主トレも予定。不本意な成績に終わった今季からの巻き返しへ、世界基準の技と体を身につける。(山添 晴治)

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2016年11月15日のニュース