楽天・三木谷オーナーが仰天構想 将来的な外国人枠撤廃を提案

[ 2016年11月15日 05:39 ]

会議に向かう楽天・三木谷オーナー

 楽天の三木谷浩史球団オーナー(51)が14日、都内で開かれた12球団オーナー会議で仰天構想をぶち上げた。今後のプロ野球の事業、競技振興について意見を求められ、1軍出場に制限が設けられている外国人枠の将来的な撤廃を提案した。プロは最高のプレーを提供すべきと持論を展開。海外のサッカーリーグや大相撲などを例に挙げ、世界レベルのプロリーグを目指すため、新たな改革を求めている。

 経済界の革命児が、球界に巨大な一石を投じた。コミッショナーの選任も終わり、プロ野球の事業発展や競技人口拡大のための意見を求められたときだ。三木谷オーナーの仰天発言が飛び出した。

 「外国人枠の拡大、最終的な撤廃を提案しました」

 オーナー会議は日本野球機構(NPB)の最高の合議・議決機関である。今後の球界の方向性はここで決まる。日本球界の発展を話し合う中で、外国人枠を撤廃するというコペルニクス的転回に出席者は言葉を失った。

 発言は、その場の思いつきや楽天球団を優位にするためではない。「サッカーのヨーロッパでは撤廃して盛り上がった」。サッカー界では欧州連合(EU)加盟国の選手に対する外国人扱いがなくなり、EU各国の主要リーグが盛況を見せたという。

 「大相撲を見てもそうでしょう。プロ野球という興行なので、やっている選手が日本人か外国人かは関係ない。最高のプレーを見せるのが我々のミッションです」

 野球協約では外国人の出場選手登録は4人以内で出場できるのは投手、野手それぞれ3人まで。「助っ人」と表されるほど各球団の主力は外国人で埋めてきた。枠を撤廃すれば、リーグのレベルが上がるのは間違いない。そこに食い込む日本人の活躍も楽しめる。

 三木谷オーナーは「(出席者の)反応はなかった」と苦笑いしたが、西武の後藤高志オーナーが「胸襟を開いて議論をしていく」と発言するなど真剣に受け止める出席者もいた。大リーグには外国人枠がない。三木谷オーナーの提案は、NPBが米国と肩を並べるために何をすべきかを考える劇薬となるだろう。(君島 圭介)

 ▽野球協約第82条の2(外国人選手数) 球団は、任意の数の外国人選手を支配下選手として保有することができる。ただし、出場選手登録は4名以内に限られ、野手または投手として同時に登録申請できるのは、それぞれ3名以内とする。

 <その他の審議事項>(1)15年度(15年10月~16年9月)の決算報告の承認。事業収支は2億9190万円の黒字で、5期連続の黒字 (2)来年のオーナー会議の議長に日本ハム・末沢寿一オーナーの選出 (3)侍ジャパン強化試合の運営報告 (4)暴排活動、野球振興の業務報告。

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