3日過ぎても返事来ず…金本監督 “恋人”糸井待つ「熟考したらいい」

[ 2016年11月15日 05:51 ]

秋本真吾氏(前列右から2人目)の講習を受ける選手たちにまじって、おどけたポーズをとる金本監督(同4人目)

 信じて待つ―。高知・安芸で秋季キャンプを行っている阪神・金本知憲監督(48)が14日、オリックスからフリーエージェント(FA)宣言して交渉中の糸井嘉男外野手(35)にメッセージ第2弾を発信した。「そりゃあ悩むでしょう。熟考したらいい」。11日の初交渉で「恋人以上」というラブコールを送ってから3日が過ぎても返事が来ない中、胸中に理解を示した。

 金本監督が自らテーブルに着いた11日の初交渉から3日が経過した。糸井からの返事は、まだ球団に届いていない。それでも、指揮官の表情に焦りの色は見えない。泰然自若―。残留か移籍かという野球人生の岐路に立っている「恋人」に対し、改めて温かいメッセージを送った。

 「悩むのは当然だと思うよ。俺は(02年オフの自身のFA宣言時に)自分で期限を決めていたから。10月いっぱい。俺は『イラチ』だったからバババーって決めたかったんだ」

 自身は広島からFA宣言した02年のオフ、当時の星野監督から「悩んだら前へ出ろ」と強引に勧誘された経緯があるが…。「ああ、あの人にね(笑い)。でも、僕は待つときは穏やかだよ。期限も決めていないし、待つだけですよ。信じて待つしかない」

 洗練された男は、ほれた相手に返事をせかさない。「初めての恋人」「選手として非の打ちどころがない」…。あふれんばかりの思いは、すでに自らの口から伝えてある。あとは、いつまでも待つのみ。朗報が届くことを信じて、無期限で待ちの構えを貫く覚悟だ。

 心の底からほれ込んだ相手だからこそ、思わず加入した場合の青写真も描いてしまう。これも、熱意の表れに違いない。報道陣から起用法を問われると舌も滑らかになった。

 「(打順は)1番はもったいなくないか?2桁の本塁打を打つ選手だし」

 現時点では、あくまで仮定の話。その上で「では、2番は?」の問いかけに言葉を継いだ。「無死一塁とか無死一、二塁で2番に回る可能性は10%くらいしかない。その10%のために、バント、バントと言うのもね…。90%は打たないといけないわけだから。(無死一塁から)ゴロでランナーが入れ替わっても、盗塁してくれれば送りバントをしたのと一緒でしょう」。今季の開幕2番に横田を据えたように理想とするオーダーは「攻撃的2番」。体現しうる存在として描く「2番・糸井」構想も示唆した。

 さすがに話題が守備位置にまで及ぶと、「あっ、もう来てからでいいじゃないか」と我に返ったかのようにヒートアップする報道陣と自らを笑って制した。起用法を考えるだけで言葉が止まらない。そして、笑いも止まらない。それだけ惚れ込んだ「恋人」。その決断を、粘り強く待つ。

 ▽糸井との初交渉VTR 11月11日、大阪市内のホテルで金本監督と高野球団本部長が出席して60分の交渉。4年18億円(推定)の条件提示に加え、金本監督から「初めての恋人や」「迷っているようであれば何度でも会いたい」と熱烈なラブコールを送られた糸井は結論を先送りも「(口説き文句は)すごくうれしい」と笑顔。

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