ソフトB 逆襲3発 長谷川先制V弾「まだみんなと野球がしたい」

[ 2016年10月16日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルS第4戦 ( 2016年10月15日    札幌D )

<日・ソ>2回1死、長谷川が先制ソロを放つ
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 パは王手をかけられているソフトバンクが踏みとどまった。2回に長谷川勇也外野手(31)が先制ソロ。今宮健太内野手(25)、松田宣浩内野手(33)にもアーチが出て、日本ハムを5―2で破った。これで対戦成績は2勝3敗。3連覇がかかる日本シリーズへ、引き分けすら許されない土俵際から道を切り開く。

 終われない。終わりたくない。長谷川はその一念をボールにぶつけた。0―0の2回1死でバックスクリーン左へ運んだ一発。先制点とともにチームが得たものは勇気だった。

 「まだ、みんなと野球がしたい気持ちで臨んだ。昨日の負けは僕にも責任があった。チームが勝つ打撃をしたかった」

 日本ハムに日本シリーズ進出王手をかけられた第3戦は3点差の9回1死一、二塁で代打出場し、中飛に倒れた。「僕の中で常に(スタメンの)準備はしている」と本人は否定したが、左足首の古傷の状態は限界で首脳陣がストップをかけた。8回までベンチで声を出すしかなく5番打者の仕事を果たせなかった。この日は休養をはさんだことで状態が上向いた。

 リーグ優勝を逃した9月28日、ロッテ戦(QVCマリン)で2本塁打を放った。試合後のミーティングでは王貞治会長に「あのパワーがあるんだったら、もっと打てよ!」と激励された。第1戦から観戦する王会長の前で放った一撃。クリーンアップを任される責任を果たした。

 2点差とした4回2死一塁では今宮が、左翼席に追加点となる2ランを放った。トドメは6回無死、松田が第2戦以来の中越え2号ソロ。チームのプレーオフ、CSでの1試合3本塁打以上は、04年10月6日のプレーオフ第2ステージ第2戦(対西武、福岡ドーム)で4発を記録して以来、12年ぶりのことだった。

 「追いかけるより、追いかけさせると相手も焦る」と工藤監督。崖っ縁に立たされた前日の試合後に先手必勝のスローガンをチームに与え、選手たちが体現した。「もっともっと野球がやりたい。明日も絶対勝ちます」。物静かな長谷川が語気を強めた。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・松田(6回に今シリーズ2本目となるソロに好守も)タイミング良く打てた。CSは守備の一つ一つのプレーが大きく左右する。

 ▼ソフトバンク・今宮(4回に2ラン)高梨は直球の回転がいいので、高めを打つとフライになると思った。

 ▽ダイエー時代の04年プレーオフの1試合4本塁打 04年プレーオフ第2Sは本拠地で西武との対戦。10月6日の第1戦、2―0の3回2死からまず城島が左翼席にソロ本塁打を放った。5―1の7回には1イニングで3発。先頭の井口、続く松中が2者連続、さらに1死からズレータがダメ押し弾を左翼席に放った。試合は9―3で勝った。

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