DeNAロペス CS王手弾 導入10年目12球団唯一出てなかった

[ 2016年9月19日 07:17 ]

<D・広>延長10回、サヨナラ3ランを放ったロペスを迎えるDeNAナイン

セ・リーグ DeNA6―3広島

(9月18日 横浜)
 思い切りジャンプし、両足で本塁の感触を確かめた。延長10回2死一、三塁。DeNAのロペスが大瀬良の投じた3球目の内角低め直球を鋭く振り抜いた打球は左翼席に吸い込まれた。この日2本目となるサヨナラ29号3ラン。歓喜のウオーターシャワーに「ベリーコールド!」と笑った。

 「最高の気分で興奮している。1本目は完璧だったが、2本目は入るか分からなかったから必死に走ったよ。同点になっても、頭を下げずに戦う気持ちだった」

 2発はいずれも価値があった。初回に3失策で先制点を許し、打線は5回まで広島先発の九里に無安打に抑え込まれた。0―2の6回に1点を返し、なおも2死二塁から右翼席に運ぶ逆転の28号2ラン。9回には守護神・山崎康が1点リードを守れず延長戦へ突入して試合の流れが傾きかける中で勝利へと導いた。

 巨人から移籍1年目の昨季は「サインプレーがうまくいかない」と悩んだこともあったが、今は若手との野球を心の底から楽しむ。前日の阪神戦(甲子園)で四球を選んだ後、4番の筒香にウインク。この日は筒香からウインク返しはなく「(筒香の方を)気にしていたんだけどね」と笑った。ロッカールームでは筒香選曲のラテン系の曲が大音量で流れる。メジャーのクラブハウスに似た演出に32歳の助っ人は「ロッカーでも好きな音楽がかかって楽しく野球ができている」と喜んだ。

 29本塁打、85打点は来日4年目で最多だ。9月は7本塁打の好調の要因を「僕を信じて使ってくれている」とラミレス監督に感謝した。打撃不振でもクリーンアップを外さなかった指揮官は「違う監督だったら、2軍で過ごしていたでしょう」と言う。ロペスは今、一体感を感じている。

 CS進出へのクリンチナンバーはついに1だ。19日に広島に勝つか引き分けるかで、球団初のCS進出が決まる。12球団で唯一CSに出ていない球団。本拠・横浜スタジアムのチケットは、ほぼ完売状態である。

 「もっと打ちたい。そして(CSでは)自分たちの色を出して、リラックスして試合に臨むことだ」。巨人時代にもポストシーズンを経験している助っ人の存在は本当に心強い。 (倉橋 憲史)

 ≪19日勝つか引き分けでCS決定≫2位の巨人は阪神戦が中止となったが、ヤクルトが中日に敗れたため、10年連続のCS進出が決まった。また、3位DeNAは広島にサヨナラ勝ちし、クリンチナンバーは1に減少。19日の広島戦に勝つか引き分ければチーム初のCS進出が決定となるがどうか。

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