阿部 悩める守護神・沢村を直接指導「親の敵のように投げている」

[ 2016年9月19日 05:30 ]

沢村(手前)にアドバイスする阿部

 阪神戦が雨天中止となった巨人は、ヤクルトが敗れたため10年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。07年のCS開始以降、全10度出場は12球団で唯一。25年ぶりにリーグ優勝した広島にCSで雪辱するため、阿部が「沢村再生」に動いた。甲子園の室内練習場で守護神に助言を求められた元正捕手は、直接指導を始めた。

 「150キロの直球に140キロのフォークだと緩急がつかない。親の敵のように投げている」と力任せの投球を指摘。人さし指と中指でボールを深く握ってみせた。「浅く握らず、上原さんは深く握っていた」。実演したのは元エースで、レッドソックスでクローザーも務めた上原のフォークだった。巨人時代の140キロ台の直球と120キロ台後半のフォークで緩急を駆使した。さらに「130キロ台の直球を投げてみろ」と、直球でも緩急をつけるよう指導した。

 沢村はもがき苦しんでいる。球団記録(13年西村)の42セーブに迫る37セーブをマーク。しかし、8月は防御率5・30、9月は同7・50と勝負どころでの救援失敗が目立っている。V逸のターニングポイントとなった8月7日の広島戦(マツダ)。同一カード3連戦3連勝で3・5ゲーム差に詰め寄るはずが、9回2死から2失点して逆転サヨナラ負けを喫した。エース菅野の勝ち星を消したのも計3度ある。「(阿部の助言を)全て取り入れて練習に取り組みたい。“ガチ”で吸収したい」と気合を入れた。

 12年の日本ハムとの日本シリーズ第2戦。阿部は沢村の頭をポカリとはたいて気合を注入したこともある。今季は右肩痛のため一塁に専念するが、中大の後輩に捕手としての経験を伝えた。逆転日本一へ、その復調が必要だからだ。 (神田 佑)

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