メジャーでコリジョン対象外のプレー 重要場面で走者と捕手が正面衝突

[ 2016年5月15日 16:43 ]

<レッズ・フィリーズ>フィリーズの捕手・ラップ(右)に激突するレッズの三走・スアレス (AP)

ナ・リーグ フィリーズ4―3レッズ

(5月14日 フィラデルフィア)
 日本のプロ野球では本塁での衝突を防止する「コリジョンルール」が今季から導入されたが、野球の本場である米国のメジャーリーグではすでに2014年シーズンから採用されている。捕手、または野手が走路を塞いではいけないとするルールだが、14日に行われたフィリーズ―レッズ戦において、このルール対象外となる場面が見られた。

 9回、4―3でフィリーズは1点をリードしていたが、レッズは1死二、三塁と一打出れば同点、あるいは逆転となる好機を迎えた。ここで、レッズの代打・パチェコはレフトへのフライを打ち上げ、三塁走者のスアレスはタッチアップ。レフトのゲデルはほぼ位置でフライをつかむと、本塁へ素早く送球。ノーバウンドでボールは捕手・ラップのキャッチャーミットに収まった。

 しかし、この送球がやや走路よりにそれたため、ラップはスアレスと正面衝突。それでも、ラップはボールを離さず、スアレスはアウトとなり、試合が終了した。これには地元フィラデルフィアのフィリーズファンも大興奮。チームメートもガッツ溢れるプレーを称えるため、ラップに駆け寄った。

 当然のようにレッズ側は「コリジョンルール」の適用を主張したが、ビデオ検証の結果、判定は変わらずアウトで試合終了。これは「送球を受けるために捕手が走路に入り、接触が避けられなかったと審判が判断した場合は、コリジョンルールに抵触しない」と見なされたためだ。

 捕手をケガから守るために加えられた「コリジョンルール」。ただ、球場のファンが熱狂し、選手と一体化するこうした光景を目にすると、危険ではあるが、「野球の醍醐味を見た」という感情に駆られてしまう瞬間だった。

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