投手歴9カ月の右腕・大道寺が9回無失点 筑波大V望みつなぐ好救援

[ 2016年5月15日 14:01 ]

9回1安打無失点の好救援をみせた筑波大・大道寺

 首都大学野球の春季リーグ第7週2回戦が15日、大田スタジアムで行われ、第1試合は筑波大が延長12回に大崎将弥内野手(4年、盛岡三)が右犠飛を放ち、桜美林大に3―2でサヨナラ勝ち。1勝1敗のタイとした。最速148キロ右腕の大道寺拓投手(3年、弘前)が9回1安打無失点に抑える好救援をみせ、19季ぶり5度目の優勝に望みをつないだ。

 2―2の延長12回2死二塁のピンチ。大道寺は相手打者を二ゴロに打ち取ると、右拳を握りしめた。その裏に打線がサヨナラ勝ち。4回から2番手で登板し、9回1安打無失点、1四球の好投で劇的勝利を呼び込んだ右腕は「こんな思いができるとは…。去年の今頃はグラウンド整備をしてました」と信じられないといった表情で素直な心境を打ち明けた。

 元々は内野手。ずっと憧れていた投手に転向したのは昨年8月で投手歴はまだ9カ月という“新人投手”だ。今季は救援として奮闘。これまでの最長投球回数はオープン戦を含めても5イニングだったが、「どこかで絶対に点を取ってくれる」と打線を信じて腕を振り続けた。8三振を奪い、110球の熱投だった。

 弘前(青森)では3年夏の青森大会準優勝が最高成績。当時は内野手として出場していた。筑波大は一般入試で受験して入学。「いつか試合に出られれば…」。そんな思いを抱いてた背番号15が、憧れていたリーグ戦の舞台で優勝争いを演じるチームの中心にいる。

 日体大がこの日の第3試合で東海大に勝つと、日体大の6季ぶり22度目の優勝が決まる。筑波大は桜美林大から勝ち点を挙げ、日体大が東海大から勝ち点を落とせば、両大学による優勝決定戦にもつれ込む。筑波大の川村卓監督は「我々ができる最大限のことはできた。何とか(日体大に)プレッシャーをかけられたと思う」と話した。

 幼少期は松坂大輔(ソフトバンク)に憧れていたという大道寺は「自信につながったと思う。(エースの)石黒さんを助けないとダメ。きつい場面で投げることが目標」と力強く言った。3年生右腕には中心投手としての自覚も芽生えてきた。

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