報徳元監督の福島氏「もう時効」74年選抜決勝前夜に蔦監督と酒酌み交わす

[ 2016年5月15日 11:30 ]

トークショーを行った蔦哲一朗監督(左)と福島敦彦氏(中央は阿波池田商工会議所のマスコット)「つたはーん」

 ドキュメンタリー映画「蔦監督~高校野球を変えた男の真実~」(監督蔦哲一朗)が14日、大阪・第七芸術劇場で上演され、兵庫・報徳学園高野球部元監督の福島敦彦氏(75)と蔦哲一朗監督(31)がトークショーを行った。

 甲子園で徳島・池田高を3度の優勝に導き、2001年に亡くなった蔦文也元監督(享年77)の姿を追い、蔦監督の孫で映画監督の哲一朗氏がメガホンを取った。本紙高校野球評論「LIVE甲子園」でおなじみの福島氏(元慶大、中山製鋼監督)は報徳学園監督時代に蔦監督率いる池田と2度対戦した。

 1974年の選抜大会決勝戦では報徳学園が“さわやかイレブン”と称された部員11人の池田を3―1で破り、初優勝を決めた。翌年の選抜1回戦でも4―2で逆転勝ち。福島氏は「私も蔦先生の後ろ姿を見ながら、野球人生を送ってまいりました」と話した。

 福島氏は「もう時効でしょう」と断りながら、決勝戦の前夜に蔦監督を表敬訪問した時のエピソードも明かした。「お互いに(お酒が)好きなもんですから、やっちゃいまして」。日付が変わるまで、飲んだという。翌日に甲子園で会った際、「先生のお顔が少しポーッとしておられました」と振り返った。

 高校野球では74年の選抜大会を最後に金属バットに変わった。福島氏は「野球が変わった。それをいち早く取り入れ、筋力や体を鍛えて豪快な打つ野球に変えた」と蔦監督の先見の明を称えた。定員140人の劇場に立ち見客も出る大盛況で、哲一朗監督は「文也おじいちゃんも喜んでいると思います」と感謝の弁を述べた。

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