福岡出身の西武・野上 九州魂で2勝目「少しでも元気や勇気を」

[ 2016年4月21日 08:25 ]

<日・西>2勝目を挙げた野上

パ・リーグ 西武9―2日本ハム

(4月20日 札幌D)
 西武・野上は、最大のピンチを切り抜けたことでリズムに乗った。初回2死満塁。リーグ本塁打トップのレアードを、内角低めの144キロ直球で見逃し三振。

 「立ち上がりのピンチを0点に抑えて乗っていけた」。7回に2点を失い「最後の2点はいただけない」と反省したが、7回5安打2失点で2勝目を挙げ、チームの連敗を2で止めた。

 持ち前の緩急を駆使した投球がさえ渡った。140キロ台前半の直球に135キロ前後のカットボール、120キロ台のチェンジアップに105キロ前後のカーブを駆使。「緩急を使えた。本当は三振を取る投手じゃないんですけどね」と笑うが、6回まで毎回の7奪三振。田辺監督は「野上がテンポよく投げてくれたので、打線もリズムに乗っていけた」と称賛した。

 遠く離れた北の大地から地元・九州のために腕を振った。福岡県出身で、高校は神村学園(鹿児島)に進んだ。プロ入り後は15年まで熊本県山鹿市で自主トレを行っており「高校(神村学園)の同級生が熊本に住んでいる」。14日の前震が発生した直後に家族や友人と連絡を取り、安否の確認はできたという。

 球団と選手会は22日からの楽天3連戦(西武プリンス)で募金活動を行う。「余震も続いて被災者の皆さんは大変な思いをされている。自分に何ができるかは分からないけど、少しでも元気や勇気を与えられれば。今、僕たちができることをやっていきたい」と野上。九州人として、野球人として、ただ一心に一日も早い復興を願っている。(重光 晋太郎)

 ▼西武・メヒア(5回の4号2ランなど6打点)野上から“本塁打を打ってくれ”と頼まれていたので、援護できてよかった。

 ◆野上 亮磨(のがみ・りょうま)1987年(昭62)6月15日、福岡県生まれの28歳。神村学園(鹿児島)では05年春のセンバツで決勝進出。愛工大名電に敗れるも準優勝。日産自動車時代の08年都市対抗野球は1回戦で三菱重工神戸に敗れた。同年ドラフト2位で西武入団。1メートル77、76キロ。右投げ右打ち。今季年俸5800万円。

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2016年4月21日のニュース