ハム松本初マルチ初打点 栗山監督と高校時代に縁

[ 2016年4月16日 05:30 ]

<日・ロ>試合後、ファンとハイタッチする松本

パ・リーグ 日本ハム13-3ロッテ

(4月15日 札幌D)
 ベンチから栗山監督が見守る中で、日本ハム・松本がお立ち台に初めて上がった。「ここに立つことを目標にしてきたので本当にうれしい」。陽岱鋼が左足首を捻挫、帝京の先輩である杉谷も右手首を骨折したことで巡ってきたチャンスを生かした。プロ5年目の22歳に笑みが浮かんだ。

 2回だ。3点を先制し、なおも1死満塁。左腕・古谷の初球チェンジアップを右前へ運んだ。「1打席目から逆方向を狙っていたが(遊ゴロで)引っかけたので、この打席は強い気持ちを持った」。プロ初打点となる2点適時打をマークすると、6回も中前打。マルチ安打も初めてだった。

 指揮官の目も細くなる。09年の夏。スポーツキャスター時代に、高野連からの特別許可を得て初めて取材したのが帝京の「スーパー1年生」と呼ばれた松本だった。「神宮でインタビューをした。(球児の取材は)剛(松本)が初めてで、当然思い入れはあるよ」。あれから7年。今は同じユニホームを着てグラウンドに立っている。運命的といえた。

 松本は11年のドラフト2位で入団。1位指名した菅野(巨人)が入団拒否したことで、事実上の1位扱いとなったが、高卒同期の近藤、石川慎、上沢が先に1軍で活躍した。「寮のテレビで同期のプレーを見ていて悔しい気持ちもあった」。2軍暮らしが続いても腐らなかった。昨季途中から外野にも取り組むと、これが転機となった。

 「9番・中堅」で今季初スタメンとなった14日のオリックス戦(京セラドーム)で左越え二塁打を放ち、この日は2番に昇格した。「今は外野でレギュラーを獲ることしか考えていない」。今季最多タイとなる17安打13得点を記録した打線の中でも、松本の存在感は輝いていた。(横市 勇)

 ▼帝京・前田三夫監督(松本の恩師)テレビで見てました。右方向へ、彼の持ち味が出たいいヒットだったね。暮れ、正月と帝京のグラウンドで練習していて“今年が勝負だよ”と話していたんですよ。結果が出たので、これからですね。

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2016年4月16日のニュース