立岡「ニュース見て眠れなかった」益城町に母校グラウンド

[ 2016年4月16日 06:50 ]

外野の壁が崩れた藤崎台県営野球場

 暗い気持ちを振り払うかのようにバットを振った。東京ドームで行われた巨人の指名練習。大地震が起こった熊本出身の立岡は「何かできることがあればやりたい。僕は野球でしか、そういう(頑張る)姿を見せられない」と決意を語った。

 14日夜、ヤクルト戦(神宮)に敗れた直後の地震発生。立岡ら九州出身の選手らは家族や知人の安否確認に追われニュース映像にくぎ付けとなった。両親や知人は無事だった立岡も母校の鎮西の野球部グラウンドは震度7を記録した同県益城町にあり「昨日は(自宅で)ニュースを見て、眠れなかった」という。

 19日に熊本で主催試合の中日戦を組んでいる球団は、一夜明けて対応に追われた。会場の藤崎台県営野球場や宿舎ホテルの状況確認のため、職員が熊本入り。球場バックスクリーンの一部にひびが入っているなどの報告も受けた堤辰佳ゼネラルマネジャー(GM)は「(開催の可否を決める立場にない)現場としては、開催する前提で考えないといけない」と神妙な面持ちで話す一方、「ホテルから“食材が届かず厳しい”という話も来ている」と慎重に確認するべき課題も多いことをうかがわせた。

 交通状況やファンが安全に観戦できるのかを含めた確認作業も必要。同GMは「(結論は)明日(16日)いっぱいかかると思う」と見通しを語った。同時に選手会と球団は16、17日の広島戦(東京ドーム)前に、両チームのナインが東京ドーム内で募金活動を行うことを決め、本格的な被災地支援をスタートさせる。

 立岡は09年のソフトバンク入りから芽が出ず12年途中に巨人にトレード移籍。昨季途中にレギュラーをつかんだ。「自分が少しでも頑張って結果を出せたらと思う」。凱旋試合の開催は未定も、使命は変わらない。全力プレーで故郷に元気を届ける。(山田 忠範)

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