今江感激!星野副会長が頭下げた 楽天入りスピード決着へ

[ 2015年11月18日 05:45 ]

楽天・星野副会長(左)と今江

 ロッテから海外フリーエージェント(FA)権を行使した今江敏晃内野手(32)が17日、都内のホテルで楽天との初交渉に臨んだ。星野仙一球団副会長(68)が自ら交渉役に乗り出すなど楽天側の誠意は伝わったもよう。交渉の席では、3年総額6億円以上の条件が提示されたとみられる。ロッテはFA宣言を行使しての残留を認めておらず、現時点で獲得の意思を表明している球団は他にない。スピード決着で「楽天・今江」が誕生しそうだ。

 涙のFA宣言からちょうど1週間。緊張の面持ちで臨んだ楽天との初交渉を終えると、今江は穏やかな笑みを浮かべていた。「今はもちろん前向きですし、楽天さんから話をいただいて燃えるものがある。移籍したら若い選手が多いので、経験を生かして若手を引っ張っていきたい」。新天地での挑戦を意識したかのような決意も口にした。

 何よりも感激したのが星野副会長が自ら交渉役を務めてくれたことだった。「緊張しましたね。野球人の大先輩の星野さんに来ていただいてうれしかった」。今江にとって、星野副会長のイメージはまさに「闘将」だ。「初めに出てくるのは怖いイメージ。昔、“珍プレー好プレー”(の乱闘シーンを)を見ていたので」。プロに入っても、楽天戦では三塁の守備位置から「星野監督の威圧感をいつも感じていたので、できるだけ見ないようにしていた」という。

 だが、約50分間の話し合いで一変した。「優しい表情を見せていただいて、人間味あふれる方だと感じた」。心に突き刺さったのが「中心選手としてチームを引っ張ってほしい」という熱いメッセージだった。

 条件面でも楽天側は誠意を示す契約を用意している。立花陽三球団社長は「あの年齢なのでしっかりした年数を提示した」と説明。具体的な条件は明かさなかったが、今季の年俸2億円を基準に、3年総額6億円以上の大型契約を提示しているとみられる。今江は「条件を求めてFA宣言したわけではない。自分を必要としてくれているか」と話すが、自分が必要とされているという熱意は受け取ったようだ。

 高卒入団で14年もの期間を過ごしたロッテを離れるという大きな決断を下した時点で、すでに気持ちの整理はできている。「すぐには決められないですけど、グダグダすることはないと思う。もう後戻りはできない」。次回の交渉については未定だが、結論を出すのにそう時間はかからない。

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