藤浪 3年目キーワードは「金星」各球団のエース対決投げ勝つ

[ 2015年1月15日 05:30 ]

前田健(後方)の視線を背にバーベルを上げる藤浪

 阪神・藤浪晋太郎投手(20)が14日、都内の施設で行っている広島・前田健太投手(26)との合同自主トレーニングを公開した。掲げた3年目のキーワードは「金星」。猛虎の若きエースはマエケンをはじめとする各球団のエースに投げ勝ち、チームを勢いに乗せる投球を2015年のテーマに据えた。

 その表情が、充実ぶりを物語る。憧れの存在との合同自主トレ公開日。多くの報道陣、そしてマエケン本人を前に、藤浪は今季のテーマも力強く“公開”した。

 「(シーズンで前田健と投げ合えば)もちろん負けたくないですし、球界を代表するエースと呼ばれる相手から金星を挙げられれば、チームも乗っていくと思う。マエケンさんに限らず、相手チームのエースと呼ばれる方から金星を挙げられるよう、頑張りたい」

 目下、入団から2年連続2桁勝利を挙げている猛虎の若きエース。さらなるステップアップへ向け、3年目のキーワードは「金星」に定めた。

 「自分に勝ちが付かなくても、投げ負けないように。チームとして負けないようにしたい」

 昨季は広島・前田健と7~8月に3試合で投げ合い1勝1敗。両先発に勝敗が付かなかった残る1試合も阪神が制した。2位争いを演じたシーズン佳境でライバルのエースと互角に渡り合い、チームに大きな貯金をもたらした。3年目はその対象を全球団に拡大する。各球団のエース級相手に勝つことは至難の業。だからこそ価値がある。ペナントレースのすう勢を占う勝利を、一つでも多くつかみ取ってみせる。

 金言も得た。脱力による制球、球質の向上だ。特に藤浪が学ぶべき要素こそ「制球力」だろう。

 「キャッチボールの時などにいろいろ聞かせていただきました。(投球時の)力の抜き方とか、それに対する考え方も。コントロール、キレなどは余計な力を入れないことで、いい球と悪い球の幅がなくなる。安定感を出していきたいと思う」

 セイバーメトリクスの指標の一つ「BB/9(与四球率)」で2人を比べると、前田健の実働7シーズン通算1・92に対し、藤浪は2シーズンで3・23。藤浪が今年ノルマに掲げる「180イニング」に換算すると、前田健は38四球(小数点以下、四捨五入)、藤浪は65四球となる。余計な四球は失点につながり、イニング消化の妨げともなる。その改善が、藤浪の求める「プラスアルファ」になることは間違いない。

 「普段あまりやらないトレーニングもあって、勉強になるし、刺激にもなる。今後の自分に生かしていきたい」。13日に始まった“マエケン塾”は24日に打ち上げ予定。たくましさを増して帰ってくるであろう藤浪が、今から待ち遠しい。

 ≪打席も警戒≫「打者マエケン」にも警戒感を強めた。会見で前田健から「晋太郎は広島戦に投げる機会が多いので、負けないように。晋太郎からたくさんヒットを打てるように頑張りたい」と挑戦状を叩きつけられた藤浪。「去年、ヒットを打たれましたし、打撃のいい人なので。投手に打たれるのはよくないので、全力で抑えにいこうと思います」と応戦した。

 ≪大瀬良らと共闘「チーム・マエケン」≫藤浪もオフ期間中は「チーム・マエケン」の一員だ。トレーニング中に着用したのは、前田健、大瀬良、中崎、中田の広島4選手と同じTシャツ。胸部に「Team Maeken」、左胸部に背番号、背中に「俺らがやる!!」とプリントされたものだ。「せっかくみんなでやるので、合わせました」とリーダーの前田健。藤浪も「シーズン中は敵同士ですが、せっかくのこういう機会なので」と胸を張った。

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